米国時間の29日、セクハラ・スキャンダルで解雇された米NBCテレビの元看板ニュースキャスター、マット・ロウアー氏(59)が、一夜明けた30日、謝罪発表。しかし、「被害者らの苦情の一部は事実ではないか、誤解である」と主張した。

 NBCの看板番組「トゥデー」でロウアー氏と共同で司会を務めてきた女性司会者らが、同番組の放送中にロウアー氏による謝罪のコメントを読み上げた。

 ロウアー氏は同コメントの中で、「私の人々への言動が引き起こした痛みに、悲しみと後悔を表す言葉もない。心から陳謝します。語られている話の中には事実でないことや誤解があるが、私が恥辱を感じるに足るだけの事実である」とした上で、今後はダメージの修復と、自らの魂を探し求める努力をしていきたいとしている。

 1992年よりNBCのキャスターを務めているロウアー氏は、同局の顔ともいわれる20年以上のベテランだ。しかし、過去数週間にわたりロウアー氏のセクハラ疑惑について調査してきたNBCは29日、「同氏による職場での不適当な性的振る舞いについて苦情があり、解雇を決断した」と発表。

 さらに複数のメディアが29日、同氏によるセクハラの苦情内容を詳細に報じた。ニューヨーク・タイムズ紙は、NBC職員らによる十数件の苦情があったと報じるとともに、「ロウアー氏はかつて、女性職員を自分のオフィスに呼びつけ、ズボンをおろし、性器を見せた上、女性が性行為に応じないことを叱責したこともある」としている。(ニューヨーク=鹿目直子)