女優寺島しのぶ(45)が主演する日米合作映画「オー・ルーシー!」(平柳敦子監督、公開中)が好評だ。寺島がこのほど、日刊スポーツの取材に応じた。【小林千穂】

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 同作は、希望のない生活を送るOL節子(寺島しのぶ)が、英会話講師(ジョシュ・ハートネット)に恋をして、身も心も解放される物語。昨年はカンヌ映画祭批評家週間部門に選出、今年は米インディペンデント・スピリット賞に新人作品賞と主演女優賞にダブルノミネートされた。

 脚本を読み、平柳監督に会って出演を決めた。

 「脚本は70%くらい書いてあったんです。100%完成されたものじゃないところがいいなあと思いました。監督に会ってから決めればいいかなと思っていて、実際に会ったらすごく意気投合したんです。(残りの)30%を埋められるという自信が出てきたんです。監督の言っていることがすごく分かりました。初めて一緒にやる監督さんって、そういうことが大事なんですよね」

 余白や空白を不安に思ったり、言葉ですべてを説明できて初めて役作りができるという俳優もいる。

 「100%の台本には何の興味もないですね。何を言わんとする空白なんだろうと考えるのが好きなので。『はい、これ書きました。これです!』ってバーンと見せられたとして、脚本としてすごく良くても、それはそれとして」。

 余白のある台本が気になったのは、「オー・ルーシー!」が小規模作品だったということもある。

 「インディペンデントの映画は何かしらのミラクルが走ってできるものかなと思っています。ピンときた台本でしたね」

 平柳監督とは、出演を決めるまで2回会った。初めて会って意気投合したと言うが、はた目にはなかなか分かりづらい(?)意気投合だったようだ。

 「2人ともシャイで、しゃべらないんです。1回目は、仲介している人が焦って1人でしゃべって終わったんです。2回目はレストランでやったんですけど、それも仲介の方が1人でしゃべっていました。結局、現場でに入るまであまりしゃべってないです(笑い)。でも、くすっと笑う部分や、いろいろな部分が似ていました。多くを語らず知ることができたんです、1回目の時から。絶対大丈夫だというのがありました。私はそういう勘を信じてここまできたので。監督には、たくましさ、こびを売らない潔さ、女性らしい部分を感じましたね」