規模にとらわれない作品選びや、今回の日米合作映画のように、柔軟に活躍している。

 「意外と流れに身を任せて生きてきたタイプ。こうなったらいいなという念は念じてますけど、流れに逆らわないようにしてきました。直感と勘を信じて。(海外での仕事は)知られるためには行かなきゃだめなんだと思います。オファーが来ないからだめ、と言っててもしょうがない。いろんな役者さんが日本にもいることをアピールしていかなきゃいけないかなと思います」

 積極的に動くことの大切さは、今年、米インディペンデント・スピリット賞の授賞式で会ったオスカー女優フランシス・マクドーマンド(60)からも感じた。マクドーマンドは今年「スリー・ビルボード」(マーティン・マクドナー監督)で、娘をレイプし殺した犯人を見つけるために執念を燃やす母親を演じ、アカデミー賞主演女優賞を獲得した。

 「彼女は、この年だからこそできる役だと探してきて、監督も探して、あの作品をやったんです。あれほどの女優さんでもやってるわけだから、私も負けちゃいけない、自分から動いていかなきゃいけないと思いました」

 そのマクドーマンドに直接、演技を褒められた。

 「『オー・ルーシー!』を気に入ってくださって、会うなり『良かったよ。あなたのパフォーマンス好きだった。(平柳)敦子(監督)とも仕事がしたい』っておっしゃっていただきました。ものすごくうれしかったです。行く前から会いたかったので、本当にウキウキしました」

 マクドーマンドが平柳監督にも興味を持ったということは、寺島を加えた3人での映画ができる可能性もあるのでは。

 「いいですね、最高ですね。マクドーマンドさんに匹敵できるよう、演技を磨きます、絶対!」

 「オー・ルーシー!」がもたらしたさまざまな経験が、寺島をさらに前進させたようだ。