ビートたけしが退社したオフィス北野の若手中心の「フライデーナイトライブ」の最終公演が11日、都内で行われ、8年半の歴史にピリオドを打った。先月20日に社員全員を退職させ、数人のみを再雇用しただけに、ライブのスタッフも元社員がボランティアで手伝った。

 マキタスポーツ、米粒写経、やくみつゆ(大神クヒオ)といった、09年11月の第1回から出演しているメンバーは、通算52回目での終了に「俺たちがやってきたことは間違ってなかった。(たけしの退社)騒動で、オフィス北野は若手を育てていないとか言われたけど、ここにいるやつらが育っている。これで最後だけど、シラッとまたどこかでやっているかも。ただいま、フリーエージェント中です」と笑った。

 最後とあって、芸人たちも渾身(こんしん)のネタを披露して大きな笑いを取った。がじゅまるは嫁のスーミーマン(30)が夫の小林すっとこどっこい(27)に、「電信柱と電柱」「あだち充のタッチ、ラフ、H2、みゆきの主人公の顔」の違いを執拗(しつよう)に聞く「おせ~て!」、キュウはアニメに出てくる「青だるまみたいなやつでドラえもんて呼ばれてるやつ」で大きな拍手を浴びた。

 後半に入ってからもハニーベージュは福間秀倫(32)が秋本隆宏(32)に「女を紹介して」と頼んで、次々と「アナウンサー系」「ナース系」「ロリ系」「巨乳系」「のりP」と、ことごとく気に入るが、いずれも葬式リポーターでおなじみの東海林のり子さん(83)似というオチで笑いを取った。売れっ子の「馬鹿よ貴方は」は「同窓会」をテーマにシュールな笑いを取った。

 このライブを最後にオフィス北野を退社してフリーとなったマッハスピード剛速球の坂巻裕哉(35)とガン太(33)は「郷ひろみファンの妻に死なれた夫とその息子」のネタで、郷ひろみのファンキーな音楽が流れる告別式を演じて大ウケ。ランジャタイはボケの国崎和也(30)が相方の伊藤幸司(30)にビートたけしの新事務所の「T.Nゴン」の名前の由来を説明。「TはたけしさんのT、ゴンは犬の名前。じゃあ、Nは?」と、オフィス北野あるビルのエレベーターから謎の空間にトリップして、ビートたけしのクローンが1000体もあるのを発見。たけし本人に出会って「あんちゃんよ」と話しかけられるのを、首をかしげコマネチポーズをしながら熱演。そして黒幕のNが登場して「あたしだよ~」とにしおかすみこだったという奇想天外な結末で大爆笑だった。

 最後はたけし軍団のグレート義太夫(59)がギター漫談で締めた。

 ほかに木村裕子、銀座ポップ、セクシーJ、ルサンチマン浅川らが出演した。

 ビートたけしの退社から初めて、規模縮小を余儀なくされたオフィス北野。マネジャーの数が減って、今まで通りに多くのタレントをマネジメントしていくのは不可能に近い。この日も芸人たちは、すでに退社を決めているもの、そして様子見などで、情報交換をしていた。「馬鹿よ貴方は」の新道竜巳(41)は「いったいどうなるんでしょうね。SNSからしか情報が入ってこないので」。だが、この日でフライデーナイトライブが終了したことで「次のことは考えています。新しいライブを企画しています」と、19日に東京・新宿Fu-で「新道竜巳女芸人フェス」と題したライブをやることを発表。「テメエの趣味じゃねえか!」と総ツッコミを受けていた。