米俳優ジョニー・デップ(57)が、元妻で女優のアンバー・ハードへの家庭内暴力(DV)を報じた英大衆紙サンを相手に名誉毀損(きそん)で訴えている裁判が英ロンドンの高等法院で20日行われ、証人として初出廷したハードが「(デップに)殺されるかと思った」と証言した。

ハードはデップから繰り返し殺すと脅迫を受けていたと主張し、怒鳴る、暴言、殴る蹴る、首を絞めるなど言葉の暴力と身体的な虐待を受けてきたと証言。「故意だったり、コントロールがきかなくなって度を越して時に非常に深刻な事態となり、殺されるのではないかと怖かった」とデップから日常的なDVがあったことを明かしたという。

2人は映画「ラム・ダイアリー」(11年)で共演したことをきっかけに交際をスタートさせ、15年に結婚するもわずか15カ月で結婚生活は破綻。ハードがデップからDVを受けたと主張して離婚を申請し、泥沼離婚裁判に発展していた。デップはDVは事実無根だと主張しており、17年に両者の間で和解が成立した後もDVを巡って裁判が行われている。デップは18年に「ワイフビーター(妻虐待者)」と報じたサン紙の記事に対し、証拠としてあげた14の暴行行為全てを否定し、深く名誉を傷つけられたとして同紙や出版元などを訴えていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)