女優芳根京子(23)が、永遠の命を得た女性を描いた映画「Arc アーク」(石川慶監督、6月25日公開)に主演し、17歳から100歳までを演じることが8日、分かった。長編映画の単独主演は7年ぶり。

芳根が演じるのは、不老不死の施術を受けた世界初の女性。30歳の姿のまま永遠の人生を生きていく、という物語だ。

17歳から100歳まで演じる難役。オファーを受けた時のことを「あまりの難役。うれしさもありましたが、疑問、不安、恐怖が大きく、即答することができませんでした」と振り返る。石川監督に自分の思いなどを伝えていく中で、不安が取り除かれていったそうで、出演を決めた。

撮影は昨年2~3月、主に香川県で行われた。芳根は「『生きている』ことに対して無意識、当たり前、日常になっていたものが、この作品と出会って特別なものと思えるようになりました。人生の選択肢の中に『人生を終えない道』があるとしたらどういう選択をするだろうかと、この作品に出会わなければ出てこない発想、想像力をたくさんふくらまして、自分の人生をより一層濃いものにしてくれました」と、得たものを語った。

「愚行録」「蜜蜂と遠雷」に続く3作目の長編映画となる石川監督は「役とともに本当に生きることができる芳根さんと、この映画を作れたことは自分にとって大きな幸運です」と話している。

ほかに寺島しのぶ、岡田将生、倍賞千恵子、風吹ジュン、小林薫らが出演する。原作はSF作家ケン・リュウ氏の短編小説。

○…芳根のドラマや映画での演技が話題になっている。日本テレビ系「君と世界が終わる日に」(日曜午後10時30分)の第3、4話にゲスト出演し、裏の顔を持つ有名女優を好演した時には、態度や表情を一変させるシーンなどがSNSをにぎわせた。11日公開の映画「ファーストラヴ」(堤幸彦監督)では、父親を殺した容疑で逮捕されたが、供述を二転三転させる女子大生を演じている。