渋沢栄一の生涯を描く吉沢亮主演のNHK大河ドラマ「青天を衝け」(日曜午後8時)に、栄一のいとこ・渋沢平九郎役で出演する俳優岡田健史(22)がこのほどコメントを寄せた。

岡田演じる平九郎は、栄一の故郷・血洗島で尾高家の末っ子として生まれ、兄の惇忠(田辺誠一)、長七郎(満島真之介)らの背中を追いかけて育つ。やがて栄一の養子となるが、そのことがきっかけで幕府崩壊の動乱に巻き込まれることになる。

実在の人物を初めて演じたという岡田は「先の展開やその最期がどのようになるか分かっているからこそ、簡単には演じることができないということに気付かされました」。また「架空の人物を作るのも難しいのですが、それとは異なる大変さがあり、命を削るというか、まさに命がけで演じることができたという手応えを感じています」と充実感を語る。

次回22日放送の第25回では、平九郎の最期が描かれる。その撮影では自然と涙が流れたといい「天国で渋沢平九郎さんが『お前に演じてもらって俺はうれしい』とか思ったりしてくれたかな、という思考に至った結果なのですが、実在の人物の最期を演じることで『こういうふうな気持ちになるんだな』と新鮮な思いでした」と振り返った。

栄一や惇忠らと過ごした血洗島では「兄ぃ」たちに憧れを抱く心境が描かれ、「平九郎の最期を演じるにあたっても、僕が考えたのは“兄ぃ”たちの事でした」と岡田。作品を通しては、漢詩を読みながら藍売りの旅に出た栄一と惇忠を「いいなぁ」とうらやむ第7話のシーンが印象的といい、「“兄ぃ”たちを慕っている平九郎の中身を濃く作っていくために一番考えて、またその後のリズムをつかむことができたこともあって、そこが一番印象に残っています」と話した。

平九郎のラストシーンが描かれる第25回については「僕もこれまで自分が見て演じてきた平九郎の事を信じながら最期のシーンを迎えました。これまで『青天を衝け』をずっとご覧いただいている視聴者のみなさまにも、僕の事を信じて、平九郎の最期を見届けていただきたいです」と呼び掛けている。