世界初となる宇宙での映画撮影に臨んだロシアの監督と女優が16日、国際宇宙ステーション(ISS)での12日間の滞在を終え、地球に帰還した。報道によると、クリム・シペンコ監督(38)と女優ユリア・ペレシルド(37)は「ザ・チャレンジ(挑戦)」というタイトルの映画を撮影するため、今月5日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられたソユーズ宇宙船でISSを訪問していた。

同作は、宇宙飛行士の命を救うため、ISSに派遣された医師を描いた作品で、ISSに滞在している宇宙飛行士も出演しているという。ISSはシペンコ監督とペレシルドが地球に帰還するため宇宙飛行士たちに別れを告げる動画をツイッターで公開している。帰還した2人は出迎えた関係者や報道陣に手を振って元気な姿を見せ、今後1週間はモスクワの宇宙施設で帰還後の回復に取り組むと伝えられている。

ハリウッドでも昨年、俳優トム・クルーズが米航空宇宙局(NASA)の協力のもと起業家イーロン・マスク氏率いる宇宙開発企業スペースXの宇宙船でISSを訪れて映画を撮影することが発表されていたが、ロシアが一足先に撮影を実現させたことになる。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)