西島秀俊(50)が映画「グッバイ・クルエル・ワールド」(大森立嗣監督、今秋公開)に強盗団のメンバー役で主演することが27日、分かった。

主演作「ドライブ・マイ・カー」の演技が評価され、1月発表の全米映画批評家協会賞ではアジア人初の主演男優賞を受賞。世界が注目する中、待望の新作は、ヤクザから資金を奪う強盗団を描くクライム(犯罪)エンターテインメント。激しくハードな西島の顔が見られそうだ。

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西島は劇中で、互いに素性を明かさない強盗団の一員・安西幹也を演じる。ラブホテルで秘密裏に行われたヤクザの資金洗浄現場を狙い、大金強奪の大仕事に成功。その後、メンバーはそれぞれの生活に戻るもののヤクザに追われる日々が始まる。大森監督が脚本家・高田亮氏とともにオリジナルの作品を作り上げた。

撮影は、昨年5月から6月にかけて行われた。西島は、強盗団のメンバーを演じる斎藤工(40)玉城ティナ(24)宮川大輔(49)三浦友和(70)らとの撮影を振り返り「さまざまな世代の群像劇です。最悪な状況から抜け出そうとそれぞれが死力を尽くし、最後の賭けに出ます。この無慈悲な世界から逃れることが出来るのか。どうぞご期待ください」とコメントした。

日本テレビ系で放送中の連ドラ「真犯人フラグ」、映画化もされたテレビ東京系ドラマ「きのう何食べた?」など西島は近年、夫や日常の男性を描く役を演じる機会が増えていた。一方で昨年、日刊スポーツ映画大賞で主演男優賞を受賞した際は「日常の大切さを演じる役、激しいアクション…全部やりたい。えっ!? と驚いていただけるような、いろいろな役に挑戦していきたい」と語っていた。

大森監督が「家族愛、純愛、犯罪、友情が入り乱れ(米のスポーツカー)フォード・サンダーバードで強盗し、ソウルミュージックが鳴り響く激アツ作品」と語る今作は、その願いにかなう作品だ。西島も「大森組に参加出来たこと、うれしく思います」と喜んだ。

【共演者コメント】斎藤工「不思議で至福な狂える時間でした」/西島秀俊主演「グッバイ-」

「ドライブ・マイ・カー」が、カンヌ映画祭で脚本賞を受賞、アカデミー賞で4部門にノミネートなど世界で評価され、西島も米ニューヨーク・タイムズ紙選の、昨年を代表する13組の俳優にアジアから唯一、選ばれた。西島の新作を、世界が待っている。