俳優本宮泰風(51)が、山口祥行(51)とダブル主演する日本テレビ系「日本統一 関東編」(木曜深夜0時59分)が13日にスタートした。本宮演じる横浜の不良だった氷室蓮司が、盟友の田村悠人(山口)と任侠の世界に入り、侠和会の若頭として奮闘する。

10年前にDVDで始まり、配信で爆発的なヒットとなって60作を超える人気シリーズになった。昨年の北海道文化放送に次ぐ、今度は東京キー局での地上波放送。これをきっかけに、また配信を見始めて睡眠不足になっているファンも多いだろう。

テレビは30分枠だが、DVD、配信シリーズは75分という長さが絶妙だ。1話分見終わった後に、すぐさまもう1本が可能。なんなら、もう1本おかわりして3本を一気に見られてしまう。仕事が昼過ぎのスタートのことが多い記者の場合は、深夜0時過ぎから見始めても、早朝に寝ればOKとあって、ついつい見てしまう(笑い)。

ファンとしてもシリーズ大ヒットはうれしいし、なによりも本宮の、この10年間の足跡、成長を見る楽しみもある。総合プロデューサーも兼ねるようになった本宮に、今月2日付の芸能面「日曜日のヒーロー」でインタビューした。

本宮といえば、今まで幾度となく聞かれたであろう「芸能界けんか最強説」。以前、インタビューした時にも聞いているのだが“お約束”ということで、担当デスクにもきっちりと「芸能界けんか最強説について、ちゃんと聞いてくださいよ」とくぎを刺された。

ということで、あらかた質問を終えたところで「ところで、散々、聞いてることなんですが『芸能界けんか最強説』について…」と質問してみた。

その瞬間、本宮の顔色が変わった。表情が3代目侠和会若頭・氷室蓮司に成りきった。

「それ聞かれたら、俺、そのライターの方とか記者さんをぶっ飛ばしちゃおうかなと思ってるんですよ。さすがに、もうその話はいいんじゃねえかなと思ってて。どうします? それを聞いた上で、まだ聞くか、聞かないか、判断していただければ」

言葉遣いこそ丁寧だが、クールな怒りが伝わってくる。

ちなみに前回インタビューした時は「みんなに聞かれて、困ってるんですよ」という感じだった。怖かったので、再度の質問はデスクからのリクエストだと責任転嫁して説明した。

「じゃ、その人呼んでもらっていいですか。お前が来いって」

氷室のままで言い切った。そして、笑った。

「日本統一」の氷室が成長するように、俳優本宮泰風のインタビューの受け答えも堂に入ってきた(笑い)。

自身のことは「温厚、平和主義者ですよ」と言う。子供の頃は兄の俳優原田龍二(52)と「仲が良かったですけど、毎日けんかしてました。向こうの方が短気なんじゃないですか」と笑う。

けんかが強いといううわさは「誤解ですね。それは氷室蓮司ですよ。でも、役柄と一緒の人ってあんまりいないと思いますよ。悪役で、悪い人はあまりいない。本当に悪いなって思う人は10人ぐらいしかいないです。ヒーローをやってて、本当に素晴らしい人間性を持ってるやつは3人ぐらいしかいない。そんなもんですね」と話した。

この10年で大きな花を咲かせ、大きな実りを見せている俳優業。兄の原田が俳優だったことから、スカウトされた。

「子供の頃は、全く思ってませんでしたね。僕、いつも『大人になりたい』って書いてたんですよ。具体的なものがなかった。多分勉強しないでいいからとか、そういう思いだったんでしょうね」と振り返る。

そして「だから、本当に今も探してる最中ですね。だから僕がプロデュース業に今以上すごく興味を持ったら、役者をやめてそちらだけになることだってなくはない話ですし。もちろん、それなりの覚悟して仕事はしてるんですけど、一生の仕事かって言われたらちょっと分からないので、そこら辺はちょっとフリーな感じでいい」とクールに話している。