安住紳一郎アナウンサー(50)が9日、総合司会を務める同局系「情報7daysニュースキャスター」(土曜午後10時)に出演し、ジャニーズ事務所がジャニー喜多川氏による性加害を認め、東山紀之(56)の新社長就任と年内でのタレント引退を発表した7日の会見の話題について語った。

番組では「メディアの沈黙」についても取り上げた。安住アナは、ジャニー氏の性加害を認定した04年の最高裁判決が当時の一般紙の新聞でも小さな扱いだったことに加え「TBSも当時、この結果を報じていません」と報告した。なぜ報じなかったか、という点について、安住アナが独自に周辺のマスコミ関係者に聞いた見解として「当時は捜査当局も動いていないし、これほど大きな事件であるという認識がなく、法律上も強制性交の被害者は女性に限定している時代で、ただの芸能ニュースのひとつだろうと考えて、ニュースとして取り上げないという認識の人が多かった」と語った。

また今年3月18日にBBCがジャニー氏の性加害問題を報じた話題を自身の番組で取り上げたのは4月22日だったことを説明。安住アナは「私の感覚的には2週、遅かった」と回想した。経緯について「その時点で、性加害があったことを事務所側が認めておらず、自分たちが取材している問題でもないので、取り扱いに注意が必要、という判断で放送しませんでした。それが大手芸能事務所に対する忖度(そんたく)ではないか、というご指摘があると思いますが、その側面は十分あると思います」と語った。

また、ジャニーズに限定しない「例え話」と前置きした上で、インタビュー取材現場で「損得勘定」があると言及。「そのことは聞かないで欲しい、あのことは触れないで欲しい、と事前に言われることもあり、もしその約束を守らなければ、次からはこちらの依頼に応えてくれない。そういう損得勘定で仕事をしている部分があります。ただ、これは嫌われても今回聞かなくてはならない、という時は自分で考えて、そのような手段をとるわけですが、今回はまさにそのケースにあたるのに、私を含め放送局で働く人間たちが、ことの重大さを分かっていなかった、ということなんだと思います」と語った。

安住アナはジャニーズ事務所の会見を念頭に「東山社長が言う『マスコミとの対話』、正直に話す、ということをこれからも心がけて努力致します」とあらためて伝えた。