今年の宝塚記念は、18年ぶりに京都で行われる。水島晴之「G1の鍵 その一瞬」は、京都巧者ブローザホーン(牡5、吉岡)に注目した。

天皇賞・春2着を含めて【2 1 0 1】。日経新春杯では重賞初制覇を飾った相性のいいコース。梅雨期で馬場が渋るのも好材料。さらに好走ポイントがもうひとつ。同期のダービー馬ドウデュースにどこまで迫れるか。逆転の可能性を探った。

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ブローザホーンが京都外回りを得意にしている理由は、3コーナーからの下り坂を味方にできる点だ。これまで20戦して、上がり34秒台をマークしたのはわずかに3回。天皇賞・春が最速で34秒6。ほかの2回も34秒9と他を圧倒する速い脚があるわけではない。その一方で、加速した勢いをそのままゴールまで維持できるスタミナがあり、この「持久力型末脚」がコースにマッチしている。

23年の烏丸S、2着に5馬身差で勝利したブローザホーン(左)
23年の烏丸S、2着に5馬身差で勝利したブローザホーン(左)

昨年5月の烏丸Sがいい例だ。今回と同じ2200メートル。直線抜け出して2着に5馬身差の圧勝だが、特筆すべきはラスト1ハロンの時計。先頭に立ってからもラップタイムは落ちることなく(12秒0→)12秒0で駆け抜けた。不良馬場でも止まらない(末脚の)キープ力はすごいが、このパワー、スタミナは下りで惰性をつけることによってより威力を増す。天皇賞・春も坂の途中から仕掛け、ゴールまで鈍らなかった。

コース適性に加え、馬場状態も味方する。宝塚記念は2開催連続の10週目。良馬場でもよほどハイペースにならない限り、高速決着は望めない。荒れてきた馬場に、梅雨時期でひと雨降れば、それこそ一気に悪化する。やや重~不良で【4 1 2 2】(完走時のみ)の同馬には好条件だ。

ここ2戦、3000メートル級で結果を出しているが、2200メートルに短縮するのもプラスだろう。阪神大賞典で掛かるような面を見せたため、前走はハミを替えてメンコを着用。位置取りもいつもより後ろで、それだけ折り合いを気にしていた証拠。しまいはよく伸びてきたが、好位で流れに乗った“長距離砲”テーオーロイヤルをつかまえるには至らなかった。

その点、今回は折り合いを気にせずポジションを取りにいくことができる。逃げ、先行馬不在で流れが遅くなれば、札幌日経OPのように早めに出て行ってもいい。自在の立ち回りで競馬はしやすい。坂の下りから得意の持久戦に持ち込めば、グランプリホース相手でも好勝負に持ち込める。

■ここが鍵 外回りと道悪

京都で開催されるのは、やや重で行われた06年以来となる。「飛ぶ」が代名詞だったディープインパクトが、ピッチを詰めて“飛ばずに”勝った伝説の一戦。当時、池江助手から聞いた「調教でも馬場状態によって走り方を変えるんだ」という言葉に衝撃を受けたものだ。

今回、ポイントとなるのは京都外回りと道悪。3コーナからの下り坂をプラスにできるか。また、2開催連続の10週目というタフな馬場と梅雨期の不安定な天候。過去20年でやや重、重が8回あり、ひと雨降るようなら波乱の目も出てくる。

■願ってもない ジャスティンパレス

ジャスティンパレスは昨年の天皇賞・春を制した。早めの仕掛けからディープボンド以下を完封。京都経験はその1回だが、エンジンのかかりが遅いタイプで、下り坂→長い直線は願ってもない。有馬記念では後ろから追い込む形になったが、好位付けができる馬で、そこはゲート次第か。道悪は未知数だが、極端に悪くならなければ克服できる。

■ひと雨降れば プラダリア

プラダリアは重賞3勝馬だが、そのうち2つは京都で挙げており、京都記念では大阪杯を制したベラジオオペラに競り勝った。切れる脚がない分、坂の下りからジワーッと加速できる外回りは向く。また道悪では未勝利勝ちが7馬身差、京都大賞典ではボッケリーニに首差勝利と巧者ぶりを発揮しており、ひと雨降れば大きく浮上する。