今週、東京から九州へ旅打ちに出たのが、満身創痍(そうい)の負け組ギャンブラーK氏(60代)。「小倉(競輪祭)から壱岐対馬に流れて必勝パワーを宿してくる。散々やられた1年だったが、帯封を手に凱旋(がいせん)するから。まあ見ていてくれ」。150以上の神社がある「神々が宿る島」壱岐で身を清め、運気を取り戻して凱旋帰京-。そんな青写真を胸に旅立っていきました。
だが2日後、「悪いが●万ほど回しちゃもらえないか。舟&電波届かずで口座確認できないから、確実に頼む」とSOSメールが届いたからびっくり。どうやら決勝が大荒れだった小倉で大敗し、何とか壱岐にたどり着いたものの、翌日の種銭が皆無。旅打ちでは鉄板の負けパターンですが、K氏の勢いに負け、なけなしの援軍●万を送金しました。
そして翌日夕刻、K氏から送られてきたのは、まさかの吉報と1枚の酒場の風景。「開運、商売繁盛にもご神徳がある壱岐のパワーは本物だったよ。帯封にはほど遠いが、福岡SGでいい仕事(舟券勝負)をさせてもらった。壱岐の神に感謝し、これから祝杯だ」。
ちなみに、K氏が送ってきた福岡ボート正門前の「酒処ひろ」は、ボートファンに限らず、地元で広く愛される人気の立ち飲み屋。岡本義則、松田雅文、植木通彦……。往年の名選手、名勝負を酒のさかなにボートファンが熱く語り合った聖地が、来年1月8日をもって閉店するという。20歳前後の旅打ち初期から何度も通った店だけに、個人的にも寂しい限りです。
昭和、平成、令和をまたにかけ、ひたすら馬券、舟券、車券に“一券入魂”してきた公営競技の生き証人K氏は「壱岐の神々に加え、50年も憩いの場を提供してくれた酒処ひろにも感謝。悲喜こもごも、非日常を味わい、ギャンブル人生を回顧させてくれるのが旅打ちの醍醐味(だいごみ)。これだから旅打ちはやめられないよね」。
ちなみに、九州から凱旋帰京したK氏のジャパンCの勝負馬はタスティエーラだとか。「神が宿った俺が言うのだから間違いない。まあ見ていてくれ。がははは」。K氏に宿る“壱岐パワー”は本物か!?(毎週金曜掲載)




