「僕が“ピンク塾”の最初の塾生だっていうこと、ちゃんと書いておいてくださいね(笑い)」と山本聡哉騎手(37)。05年4月のデビューから間もない同年6月、3カ月ほど前に廃止された宇都宮から期間限定で水沢にやってきた内田利雄騎手に“弟子入り”したという。「その時は何を頑張ったらいいか、競馬もどう乗ったらいいか、分からなかったので」。教えを請い、基礎を作れたと話す。
それまで前例のなかった所属地区以外での期間限定騎乗。まだ短期所属替えと呼ばれていた時代の最初の所属地が岩手だった。あれから20年。当時の内田騎手の発案と各地の主催者や騎手会などの協力があり、今ではベテランから若手まで当たり前のように他地区で騎乗できるようになった。
今回で5回目(うち1回は取りやめ)になる山本聡騎手の南関東での期間限定騎乗。今日21日が最終日というのは1年以上も前に決まっていた。20年には桜花賞も勝ち、すっかり冬の南関東で存在感を増した岩手の一番弟子は師匠のラストライドを「しっかり見届けます」。出会いのきっかけになった期間限定騎乗が制度化されたことで、引退の当日に浦和で騎乗する偶然が生まれた。【牛山基康】



