<菊花賞>◇22日=京都◇G1◇芝3000メートル◇3歳牡牝◇出走17頭
今も昔も長距離戦では騎手の腕が問われます。今年の菊花賞は、ルメールの勝利と言っても過言ではないでしょう。もちろん、ドゥレッツァも5連勝、重賞初挑戦での勝利ですから、底知れない能力を披露しました。
レースは想定外から始まったと思います。大外枠からどう乗るか、序盤に注目していましたが、持って行かれるような形でハナに立ちました。最初の1000メートルは60秒4。平均より少し遅めの入りでしたが、次の1000メートルは64秒1とさらに遅くなります。
2周目の2コーナーから向正面で、ドゥレッツァはいったん先頭を譲ります。ここがポイントでした。ルメール騎手は最初に行きたいように行かせて、少し落ち着いたここで“ひとため”を作りました。この“ため”が長丁場では最後に効きます。もちろん、どんな馬でもできるわけではありませんし、これがルメールの「ワザ」です。最後の1000メートルは58秒6と速くなりましたが、その中で上がり最速34秒6の脚を引き出しました。持って行かれて、いったん下げて、また行って…。普通は負ける競馬ですが、鞍上のワザと馬の能力が結果を変えました。
前週に続き、またドゥラメンテ産駒です。私はリバティアイランドを「ドゥラメンテ産駒の最高傑作」としましたが、ドゥレッツァの伸びしろを考えると、本当に楽しみです。
2着タスティエーラはダービー以来のぶっつけで力を示しました。調教技術や施設が進歩した近年は、休み明けも不利になりません。とはいえ、3000メートルの息を調教だけでつくるのは難しいですし、あと1週、もう1本追い切った方がいいのではないかという不安もあったはずです。敗れたとはいえ、さすが堀厩舎の仕上げだと感じました。
3着ソールオリエンスは欲を言えば、もう少し前の位置が取れればよかったですね。外枠もあったとは思います。それでも3冠は1、2、3着ですから、世代トップの1頭であることは間違いありません。(JRA元調教師)






