<エリザベス女王杯>◇12日=京都◇G1◇芝2200メートル◇3歳上牝◇出走15頭

直線鋭く伸びてエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグ(左から3頭目)(撮影・白石智彦)
直線鋭く伸びてエリザベス女王杯を制したブレイディヴェーグ(左から3頭目)(撮影・白石智彦)

またまたルメール騎手でした。上手なことは十分に承知しています。ですが、見るたびに新鮮なうまさを見せてくれますね。ブレイディヴェーグは最内枠で少し出負けしました。どうするかと思った瞬間、開いていた内の進路から好位を取りにいきました。後方で脚をためる手もあったと思いますが、そうなると最後は外を回る形になります。距離をロスしてせっかくの最内枠を無駄にするより、少し脚を使っても好位にこだわった印象でした。

道中はずっとラチ沿いをキープ。ちょうどすぐ前にいたハーパーがいい目標になりました。同馬とは牝馬3冠すべてでコンビを組んでおり、その能力は熟知しています。バテて下がってくるような馬ではない、最後は必ず伸びる、という確信を持ってマークし、直線は内からかわしました。

4角出口で進路を切り替えるブレイディヴェーグ
4角出口で進路を切り替えるブレイディヴェーグ

ずっとラチ沿いと記しましたが、4コーナーでは少し外、四分どころに進路を切り替えています。この日は若干の降雨もあって、3~4角から芝の内側が緩いことを承知した上での選択でしょう。大外から逃げて内を取った菊花賞もそうですが、今回の進路取りもファインプレーでした。

応えたブレイディヴェーグは能力の高い馬です。ローズS2着で出走権をとった秋華賞には向かわず、ここを狙ったからには、陣営にとっても負けられない一戦だったことでしょう。しっかりと結果を出した鞍上、陣営、馬に拍手です。

連覇を狙ったジェラルディーナは5着。大きく出遅れましたが、ムーア騎手は外から中団を取りに行きました。1000メートル通過が61秒1という遅い流れで、結果的にはだんごになった馬群の外を回る形になりましたが、後方からでは掲示板もなかったと思います。勝負にいった好判断でした。ただ、内を回った勝ち馬とはわずか0秒3差。距離ロスが明暗を分けました。

2着ルージュエヴァイユは血統馬です。いよいよ開花してきた印象ですね。今後は牡馬を相手にどんな競馬ができるかでしょう。(JRA元調教師)

ブレイディヴェーグでエリザベス女王杯を制したC・ルメール騎手は笑顔でサムズアップ(撮影・和賀正仁)
ブレイディヴェーグでエリザベス女王杯を制したC・ルメール騎手は笑顔でサムズアップ(撮影・和賀正仁)