英2000ギニーで幕を開けた欧州(英国、フランス、アイルランド)クラシックレース。11日(日曜)にはパリロンシャン競馬場で、皐月賞にあたる仏2000ギニー(芝1600メートル)と、桜花賞にあたる仏1000ギニー(芝1600メートル)が、連続して開催されます。

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牡馬による仏2000ギニーは、上位拮抗の混戦模様が噂されています。

片手に余る有力候補の中で、実績で頭ひとつ抜けているのが、エイダン・オブライエン厩舎のアンリマティス(牡3、父ウートンバセット)です。通算成績は7戦5勝。昨年は母国アイルランドで2つの重賞に優勝。デビューから6戦目の米国遠征となったBCジュベナイルターフ(G1、芝1600メートル、デルマー)を制して、一躍脚光を浴びました。今年初戦のG3愛2000ギニートライアルステークス(芝1400メートル、レパーズタウン)は先行馬をねじ伏せるようにして優勝。フランスのクラシックに狙いを定めました。鞍上はライアン・ムーア騎手の予定です。

これに次ぐのは地元代表のリダリ(牡3、M・デルザングル、父チャーチル)と、4月25日のG3グリーナムS(芝1400メートル、ニューベリー)を鮮やかに差しきった英国のジョンキル(牡3、A・ボールディング、父ロペデヴェガ)でしょう。

今年2月に亡くなったアガ・カーン4世の勝負服を纏うリダリは、今シーズン初戦のG3フォンテンブロー賞(芝1600メートル、パリロンシャン)を差し切って優勝、3戦2勝で大舞台に臨みます。鞍上はミカエル・バルザローナ騎手です。

もう一頭のジョンキルは故カーリッド・アブデュラ殿下のジュドモントの生産・所有馬。こちらも3戦2勝で、前走からオイシン・マーフィー騎手が手綱を握っています。

これ以外にも英愛オークスを連覇した名牝アレクサンドローヴァの孫で、昨年、フランスで5戦3勝、2着1回のウケト(牡3、父ウートンバセット)、アンリマティスと同じエイダン・オブライエン厩舎で、G1ジャンリュックラガルデール賞(芝1400メートル、パリロンシャン)を制したカミーユピサロ(牡3、父ウートンバセット)なども争覇圏内に収められそうです。

この直後に行われる仏1000ギニーは、前出のリダリと同じアガ・カーン4世の生産・所有馬であるザリガナ(牝3、F・グラファール、父シユーニ)が断然の人気を集めています。

不敗で凱旋門賞を制した名牝ザルカヴァを祖母に持つザリガナは、ミカエル・バルザローナ騎手とのコンビで、これまで4戦3勝2着1回。昨年9月のG3オマール賞(芝1600メートル、パリロンシャン)と、今年の初戦となったG3ラグロット賞(芝1600メートル、パリロンシャン)に優勝。フランスの2歳牝馬チャンピオンを決めるG1マルセルブサック賞(芝1600メートル、パリロンシャン)は同厩舎のヴァーティカルブルーの2着でしたが、その差は僅か“ハナ”。クビの上げ下げで不敗は逸しましたが、トップの実力の持ち主であることは間違えありません。

唯一、先着を許したヴァーティカルブルーは、G1制覇の後に英国のタタソールズセールに上場されて、ゴリアットのジョン・スチュワート氏に320万ギニー(約6億4500万円)で落札されて、その後に休養入り。新オーナーは6月15日の仏オークス(G1、芝2100メートル、シャンティイ)に狙いを定めて、仏1000ギニーには登録しませんでした。

勝負の行方は下駄を履くまでわかりませんが、ザリガナにとって与し易いメンバー構成になったようです。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2025年5月8日現在