学術の街ボストンから一気に南下し、アメリカの南端部のマイアミへやってきた。準々決勝のイングランド対ノルウェー戦が行われる会場である。
世界有数のビーチリゾート地。ヤシの木に陽気なラテン系の音楽が鳴り響く。同じアメリカでも随分と雰囲気が違う。
そのマイアミも今やサッカーの街に変貌した。メッシが23年にMLSのインテル・マイアミに加入したのを機にサッカー熱が高まった。W杯期間中もあってか、あちらこちらでサッカーの看板が目立っている。ホテルの壁一面に描かれた大会公式球の壁画もあった。
仕事の合間、気分転換も兼ねてベイサイドのショッピングモールを散歩した。多くの代表チームのユニホームが飾られたスポーツショップが目に入った。中をのぞくと、代表のユニホームが並んでいる脇にインテル・マイアミのユニホームがあった。背番号10に「MESSI」のロゴ入りだ。
やはりW杯とはいえ、メッシの存在は大きいだろう。最近の売れ筋は何だろうか? 店員に声をかけて聞くと「やはりユニホームだとアルゼンチン、スペイン、ポルトガル、ブラジルあたりがよく売れている」と話してくれた。
メッシはどうか? とたずねると「もちろん人気があるから売れてるよ」。軒並みユニホームには180~200ドルの値札が付いている。日本から見れば加速する円安。1枚3万円超がどんどん売れていると言うわけになる。
メッシがMLSにやってきて、「世界最高の選手」見たさに観客動員が爆増している。インテル・マイアミの試合は7万人超を記録し、リーグ全体の1試合平均観客数も2万3000人を超えた。全米のプロスポーツの中でNFL、MLBに次ぐ規模だという。かつての「サッカー不毛の地」もどこえやらである。
大会もいよいよ佳境。残るチームはフランス、スペイン、イングランド-ノルウェー、アルゼンチン-スイスの6チームだ。開催国アメリカも消えた中、米国民にとってはマイアミのサッカー大使とでも言うべきメッシへの注目度はより高まるのではなかろうか。
せっかくマイアミに来たのだからメッシゆかりの物でも買おうと、フィギュアを21ドルで購入した。そこはインテル・マイアミでなくアルゼンチンのユニホーム姿だ。
天を指さし、穏やかな表情だ。立派なあごひげをたくわえ日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルの顔と重なった。メッシはマイアミにサッカーの風を持ち込んだ宣教師であろう。
海に停泊する船をバックにメッシ人形を置いてしばしながめた。39歳にして6大会連続のW杯、さすがに今回が最後になるだろうと思う。
「神の子」は再び優勝するのだろうか? エムバペとの得点王争いは?
W杯でメッシを見られるのもこれが最後と考えれば、その一挙手一投足を見逃すわけにはいかない。取材により力が入りそうだ。【佐藤隆志】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サカバカ日誌」)







