日本サッカー協会(JFA)は16日、22年W杯カタール大会(11月開幕)のアジア最終予選2試合(24日アウェー・オーストラリア戦、29日ホーム・ベトナム戦)に臨む日本代表メンバー27人を発表した。オーストラリア戦に勝てば、本大会の切符が手に入る大一番。森保一監督(53)は、三重・伊勢神宮で神々に勝利を誓っていた。

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そびえ立つ大鳥居。ヒノキで出来た宇治橋。ここは日常から神聖な世界への入り口。樹齢数百年を超す杉の巨木が、幻想的な空間を色濃くする。2月8日。森保監督は、知人と三重・伊勢神宮を訪れた。参道を歩くと、一般客に気付かれた。写真撮影に快く応じたが「SNSは勘弁して下さい」と、申し訳なさそうに頭を下げた。

2000年以上もの歴史を有す神域。一瞬の和やかな空気も、厳かな雰囲気が、顔を引き締めた。頭の中は、24日オーストラリア戦でいっぱいだった。勝てば、W杯が決まる。敗れれば、自力での突破が消滅する。天国か、地獄。11日からの欧州視察を前に、神の前で目を閉じ、手を合わせた。

「オ~ストラリア戦の~勝利を~」。外宮、内宮で祈■(示ヘンに寿の旧字体)を受けた。

森保監督 たたけばほこりが出るわけではないけど(笑い)。清められる感じはしますね。歴史がある神宮。そういう空気に触れることで、合っているかどうかは別として、正しいことをやっていかないといけない。手を合わせることで、そういう気持ちにさせてもらった。

最終予選は黒星発進し、3戦で1勝2敗。自身の進退問題にも発展しかけたが、徳俵で踏ん張り、8戦6勝2敗で2位。本大会の切符が、目前に迫るところまで歩みを進めた。祈■(示ヘンに寿の旧字体)(きとう)を受けると、雑念は消失した。

森保監督 心が洗われるというか、無駄な考えが取り除かれた。クリアになる感じ。W杯最終予選に行くというよりも、神仏の近くに行かせてもらうことで、無駄なものが透き通った。空気感が違った感じがする。

毎年の初詣も、サッカーのことは祈らず、家族の健康を願う。そんな指揮官が、初めて神に勝利を誓った。妻とも旅行で訪れた場所で。

「何て言うのか、神仏を尊びて、神仏を頼らず」。

剣豪・宮本武蔵の名言を用いた。森保監督は続けた。「神頼みじゃない」。信念を曲げず、つくりあげてきた日本代表。24日、神々に、その行いを見守ってもらう。【栗田尚樹】