今季3度目となる「東北ダービー」は今日26日、NDソフトスタジアム山形で行われる。仙台DF渡部博文(28)は、プロ入り後初となる出身地山形での“凱旋(がいせん)”試合に燃えている。

 仙台DF渡部が、ひるむことなく「ホーム」へ乗り込む。山形との今季3度目のダービーは、チームにとっては初の敵地戦。だが山形中央高出身の渡部にとっては、高校まで育った大切な故郷だ。「家族や親族、友人もたくさん応援に来てくれるみたい。来てくれる人たちの力を自分の力に変え、必ず勝利を収めたい」。さわやかな笑顔の奥に闘志を秘める。

 戦いの舞台、NDスタではプロ入り後初めてプレーする。高3時以来、約10年ぶりの“凱旋(がいせん)”。今季仙台入り後は開幕スタメンを勝ち取り、レギュラーに定着。ここまでリーグ24戦に出場し3ゴールもマークしている。高校の先輩MF菅井らと守りの要として活躍し、第1ステージ第2節の古巣柏戦でも得点を奪うなど、守備を本職にしながらも、ここぞの1発も武器だ。

 過去には天皇杯決勝でも頭で決勝弾を決めた。得意のヘディング弾用? に山形戦を前に髪も短くカット。「だいぶ軽くなって…やっぱり短い方がいい感じ」。センターバックとして体を張りつつ、自慢の頭で得点も狙っていく。

 今季のダービーは1勝1敗。山形にも仙台にも縁はあるが「今は仙台の一員。チームのために、力を発揮したい」と決戦を見据えた。そして「(ダービーは)毎回気持ちが入る。(ナビスコ杯で)1度負けているし、やり返すには絶好の試合。そこで勝つことに意味がある」。故郷で戦う特別な一戦で白星をつかむ。【成田光季】