新潟は1-2で磐田に逆転負けし、リーグ戦2連勝はならなかった。後半3分にFWラファエル・シルバ(24)の今季5得点目のゴールで先制したが、その1分後にPKで追いつかれた。後半19分にもPKを与えて勝ち越された。ホームでの白星を逃し、新潟は次節(15日)、広島とアウェーで対戦する。

 勝利への流れが、2つの場面で敗戦に向かった。

 1-0の後半4分、ペナルティーエリアに進入してきた磐田FWジェイ(33)をDF大野和成(26)とDF増田繁人(23)の両センターバックがマーク。ライン際で体を寄せたところで、ジェイが転倒する。その直後にPKのジャッジ。

 2回目は後半19分、ペナルティーエリア内でフリーになったMF松井大輔(34)を、GK守田達弥(25)が飛び込んで止めにいく。だが、倒してしまい警告、そしてPKに。同点、逆転のPKは、どちらもジェイに決められた。

 「PKと言われたとき、何で、と思った。自分も転んでいたので」と大野。増田も「大野君がマークにいった後、こぼれ球をケアしていた。体を寄せたが、どこで誰のPKか分からない」。ただ、「自分たちが得点した直後の、集中しなければならない時間帯。取られてしまったのはダメ」(大野)と、流れを相手に渡したことを反省した。逆転を許した守田のプレーを、吉田達磨監督(41)は「その前の段階。自分たちのミス」とひきずってはいない。

 勢いはあった。後半3分相手のパスミスを奪ってつなぐ。MFレオ・シルバ(30)のラストパスを、ゴール正面に走り込んだラファエル・シルバが先制点を決めた。「走って裏に出る。新潟らしさを出せていた」。吉田監督が話すように、攻撃の形はできていた。

 前戦のナビスコ杯川崎F戦(6日)は0-5の大敗を喫した。翌7日の練習から対人など守備をチェック。この日は要注意だったジェイにPK以外は1本しかシュートを打たせていない。立て直しもできていた。

 それだけに「もったいない試合」と増田は言う。勝ち点3を取るための試行錯誤が続く。力を蓄えていることを証明する絶好の場は、敗戦後の試合。次節広島戦で結果を出す。【斎藤慎一郎】