熊本地震の影響で活動休止中だったJ2熊本が25日、熊本市のサッカー施設で自主トレを開始した。全29選手のうち現在も7人が県外にいる。県内に残る22人のうち、2人が避難所生活を送る中、参加可能な14人が集合した。清川浩行監督(48)らスタッフも12人が駆けつけ、ミニゲームなどで約2時間汗を流した。

 本震のあった16日から止まっていたチームが、再出発した。人工芝のグラウンドの広さは通常ピッチの半分ほど。チーム練習着や私物のスポーツウエアなど格好はバラバラだ。それでも、すぐにいつものパスワークが戻り、明るい笑い声がこだました。清川監督は「選手全員は集まらなかったがスタッフと一緒に楽しく体が動かせた。ここに集まりトレーニングができて幸せ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 家族の安全を優先して避難したFWアンデルソンは柏、GK佐藤は広島、MF上原は札幌の練習場を使わせてもらうなど、県外の7人も各自で調整を進めている。車中泊で避難生活する選手はいなくなり、地元熊本とともに、チームも少しずつ復興に向かっている。

 今日26日も同じ施設で練習するが、27日以降は未定。本拠地うまスタや練習場は、救援物資の拠点などになり、使えない。ただ、5月2日に全体練習再開、同15日千葉戦(フクアリ)での試合復帰という目標がある。その第1歩を踏み出し、MF岡本主将は「大変な状況だがサッカーしかないんで、やるからには結果を出して熊本を盛り上げたい」と熱く語った。【菊川光一】