完封負けを喫したベガルタ仙台の渡辺晋監督(43)は「堂々と渡りあった。悲観するゲームではない」と選手を鼓舞した。

 相手よりも5本多い12本のシュートを放った。東京の4バックが、前線3枚に対応に追われる中で、MF永戸勝也(22)ら両ウイングバックが高い位置を保ち、クロスを供給した。後半30分過ぎからクロスを上げるタイミングが、攻撃陣の動きだしと一致し出して、決定機を幾度も迎えた。指揮官は「成長の証し」と評価。古巣相手に燃えていたMF三田啓貴(26)も奮闘し、両チーム最多タイの4本のシュートを放った。

 守備も改善が見られた。指揮官が「流れの中からの大きなピンチは、思い出せない」と言うように、失点はともにセットプレーから。スルーパスなどでDF裏を狙った東京に対し、最終ラインが徹底的にマークし、決定機をほとんど与えなかった。個人技で突破されて失点が続いた今季序盤に比べて、堅守を取り戻しつつある。

 指揮官は「成功体験が大きい」。一時2点差をひっくり返して引き分けに持ち込んだ広島戦(3月22日)以降、チームが成長していると実感した。「今日のように慌てずにゲームをすすめる」と前を向いた。