J1、J2、J3全クラブ参加の合同会見「Jリーグ・キックオフカンファレンス」が15日、都内で行われ、ベガルタ仙台の渡辺晋監督(44)がプロ野球楽天との共闘を誓った。今季はリーグ戦5位以上、カップ戦決勝進出を目標に掲げているが「仙台でパレードしたい」。一気に最大目標を達成し、楽天との合同パレードなどで被災地を盛り上げる最高の結果も願った。

 25日の開幕戦(柏戦、ユアスタ)を前に、チームの仕上がり具合の良さが、渡辺監督の言葉を大きくした。

 渡辺監督 震災以降、復興のシンボルとして戦ってきたのが我々のクラブ。当時監督だった(手倉森)誠さんが『希望の光になるんだ』と立ち上がってきた。楽天さんと一緒にタイトルをとって仙台でパレードをして、仙台、宮城を盛り上げたい。

 楽天が13年に日本一を達成時は、仙台のコーチとして熱狂を肌で感じた。当時監督だった星野仙一氏(享年70)が今年1月に亡くなり、楽天が頂点への気持ちがさらに高まっているのも感じている。「とにかく勇気づけられるのは勝つこと。今年は本気で狙いにいこうという話もしている」。東北のスポーツ界全体で、結果を出したい気持ちも人一倍強い。

 チームは沖縄、宮崎と35日間にわたる長期合宿の真っ最中だ。「今までとは比べものにならないくらい大きな期待感がある。ワクワクしている。スピード感、選手の幅はすごくなっていると思う」。昨年のベースをもとにクラブに希望を言及し、新戦力の補強も成功。「競争もあるし、フィットしないわけがない」と手応えを得ている。

 一緒に参加した移籍2年目のMF野津田岳人(23)も「2ケタ得点を狙いたい。自信はあるし、監督のためにもという気持ちになっている」。初タイトルも夢ではない気運は高まってきた。【鎌田直秀】