湘南ベルマーレが、後半3分のMF高橋諒(25)の“空中マルセイユルーレット弾”で、サガン鳥栖から先制点を奪ったが、同36分、鳥栖DF吉田豊(28)の左クロスがDFに当たってオウンゴールとなり、1-1で引き分けた。

 降格圏の17位と苦しむ鳥栖が、12位の湘南を序盤は押し込んだ。前半5分、吉田の左クロスをFW池田圭がシュートもDFにブロックされた。同9分にはMF原川力の左CKに再び池田が飛び込み、DFが弾いたこぼれ球を、MF福田晃斗が思い切り良くミドルシュートを放っていったが、枠を外した。

 鳥栖はワールドカップの中断期閑中に、スペイン1部アトレティコ・マドリードから元スペイン代表FWフェルナンドトレス(34)を獲得。15日に来日したばかりのトレスは、湘南戦には帯同しなかったが、サッカー界やスポーツニュースの話題をさらった“トレス効果”からか、この日の鳥栖は勢いを感じさせた。

 一方、湘南は神奈川大から今季、新加入のMF金子大毅(19)がリーグ戦に初先発した。その金子が前半18分、高橋の左クロスをDFが弾いたこぼれ球をミドルシュート。枠は外したが積極的な姿勢を見せた。その後、両サイドを軸にした攻撃で鳥栖を左右に振ると、同31分にはFW菊地俊介がペナルティーエリア内でシュートも、GK権田修一にキャッチされた。

 一進一退の展開の中、前半45分には鳥栖MF原川の右FKを、GK秋元陽太がファンブル。こぼれ球にMF高橋秀人が飛び込むも、サイドネットを揺らした。前半は0-0で折り返した。

 後半3分、湘南の高橋が超絶シュートで場内を騒然とさせた。DF坂圭祐の右クロスに飛び込むと、空中で右回りに1回転しながら、右足のかかとでボールに触り、ゴールに流し込んだ。元フランス代表FWジネディーヌ・ジダンが、1回転しながら相手選手をかわす、マルセイユルーレットのように空中で回転してのゴールに、BMWスタジアムは沸きに沸いた。

 鳥栖は後半19分、MF高橋義希に代えて、19歳のU-21(21歳以下)日本代表FW田川亨介を投入した。その田川が同21分、左サイドをドリブルで突破すると、そのままペナルティーエリア内に進入し、シュート。枠を外したが、思い切りのいいプレーと突破力を見せた。

 後半36分、鳥栖が同点に追いついた。吉田の左クロスがDFに当たり、ゴールに入った。試合は1-1で引き分けた。