北海道コンサドーレ札幌がサンフレッチェ広島を1-0で下し、リーグ戦4試合ぶりの勝ち点3を手にした。後半18分、MF早坂良太(33)の2季ぶりゴールで先制。チーム4試合ぶりの得点を、最後まで守り抜いた。主力のMF宮沢裕樹主将(29)MFチャナティップ(25)をケガで欠くなか総力戦で戦い抜き、今後につながる白星を挙げた。

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札幌のゴールが4試合ぶりに生まれた。ボールを持つも、堅い守備に我慢の時間が続いた。後半18分、日本代表FW鈴木がゴール前に迫った。同じ日本代表GK大迫が対応したが、ボールがこぼれた。すかさず早坂が反応し、右足でゴール左へ流し込んだ。札幌に加入した17年9月27日新潟戦以来のゴール。お立ち台に立った33歳は「勝利につながるゴールができて良かった」と声援に応えた。得点とともに遠のいた勝ち点3。5月4日神戸戦以来の歓喜に札幌ドームがわいた。

チーム力を見せつけた。負傷の宮沢、チャナティップが欠場し、チーム得点王FWロペスも離脱中。万全の戦力が整わない状況で、早坂は右シャドー(1・5列目)として先発。今季公式戦でプレーした位置は1トップ、右サイドハーフ、右DF。途中での投入も多いが、ユーティリティープレーヤーとして器用にこなす。「強いチームは(主力で)出ていない選手が出て、結果を出す」。若手は積極的に起用され成長を求められる。かつて自身もそうだった。だからこそベテランになった今は、出番に備えて練習を重ねる。それが底上げになると信じる。

試合6日前の5月26日。札幌・宮の沢で、脳腫瘍治療中の元チームメートDF横山知伸(34)を支援する募金活動を選手全員で行った。この日もベンチ外の選手が募金箱を手にした。「募金をした週に結果が出たのは僕にとってもありがたいし、アイツにとっても力になれば」。ピッチ外でもチームは一丸となり、その思いは勝利も呼び込んだ。

チームは厳しい戦いが続く。鈴木とMF中野が負傷交代した。後半42分にはMFルーカスが2枚目のイエローカードを受けて退場し次節は出場できない。だが、1人足りない数的不利もしのぎ手にした勝ち点3が自信をもたらす。「チームとしてやるべきことは変わらない。みんなで練習からしっかりやっていきたい」と早坂。淡々と仕事を遂行する頼もしさ。札幌の強みの1つだ。【保坂果那】