徳島ヴォルティスが6年ぶりのJ1復帰へ王手をかけた。

後半8分、FW野村のスルーパスに右サイドから抜け出したFW河田(かわた)が、DF2人とGKに囲まれながら、右足で華麗なループシュートを決めた。J2アルビレックス新潟から今季加入した27歳がヒーローになった。徳島はこの先制点を最後まで守り切った。モンテディオ山形は5年ぶりのJ1復帰はならなかった。

14日の決定戦は、J1で16位となった湘南ベルマーレのホームに徳島が乗り込む形で行われる。

この日の試合は序盤から互いの長所が出た好内容となった。まず山形が前半2分、FW山岸が敵陣右サイドで強烈なプレスから球を奪って即座にクロス。中央に駆け上がってきたFW井出が右足を合わせるが、徳島GK梶川のビッグセーブが飛び出してゴールならず。

徳島も前半32分、スルーパスに抜け出したFW島屋が山形GK櫛引と1対1になり、右足でシュートを放つもこれもビッグセーブにあった。両者球際の強さと小気味いい攻守の切り替えで、ハイレベルな試合を展開した。

徳島は今季J2で4位となり、プレーオフ1回戦は5位ヴァンフォーレ甲府に1-1と引き分けながら、シーズン順位が上の徳島が勝ち上がった。今回も6位山形との対戦のため、2戦連続ホームで戦う4位徳島がドローでも勝ち上がる規定だった。

徳島にとってJ1は14年に最下位でJ2降格が決まって以来の舞台。就任3年目のスペイン人、ロドリゲス監督の手腕で今季後半戦は連勝で勝ち点を稼いできた。

山形はプレーオフ1回戦で3位大宮アルディージャに敵地ながら2-0の快勝。15年を最後にJ1から遠ざかっており、木山監督の下で5年ぶりの復帰を目指していた。