ガンバ大阪は16日、クラブ公式ユーチューブチャンネル「GAMBA-FAMiLY.NET」を生配信し、宮本恒靖監督(43)らが自宅から生出演した。DAZN(ダ・ゾーン)Re-LIVE企画「2005 J1第34節 川崎フロンターレ-G大阪」の試合が同時に配信され、当時の試合に出場していた宮本監督らOBがその映像を見ながら解説した。

試合は05年12月3日のJ1リーグ最終節。敵地等々力で行われた川崎F戦に、G大阪が4-2で勝利。前節で3連敗を喫して2位に転落したG大阪は、逆転で初のJ1優勝を飾った。首位セレッソ大阪が試合終了間際にFC東京にまさかの同点を許したことで、他力ながらG大阪には劇的な結末が待っていた。

宮本監督は終始、リラックスした表情だった。「この前の節で(首位から2位に)ひっくり返され、その時の方が追い込まれていた。西野監督の言葉で、開き直って勝つしかないと臨んだ」と、当時の心境を振り返った。川崎F戦は自身も一時は勝ち越しとなるゴールを決めていた。

「あの得点は周囲を見てもフリーだったので」と、宮本監督は得意げに解説しつつ「(自分の右膝が)すごく痛くて、痛み止めの注射をしていたけど(効き目が)後半途中からきれてくるということで心配していた」と裏話を披露した。

優勝決定の瞬間、泣きじゃくる自身の姿を見た宮本監督は「泣きすぎやろ」と苦笑いし、司会者から今季は監督として優勝したら泣くのか? と聞かれると「そういうのがあればいいですね」「スポーツがもたらす喜び、涙を今年、またつくっていきたい」と決意を新たにした。

この日、解説に加わったOBは、宮本監督以外にも松波正信強化部長、山口智ヘッドコーチらで、いずれもこの試合に選手として出場していた。

山口氏は「この試合は勝って終わりたいとだけ思っていた。優勝のことは考えられなかった」と話し、松波氏は「(このシーズン中に自分が)引退発表してからチームが勝てなくなって、責任を感じていました」と振り返った。

松波氏も当時の裏話も披露した。襟なしのユニホームに、自分だけ襟を縫い付けて出場していた。「以前のユニホームの襟を切り取って、下に着るTシャツに縫い付けていました」と松波氏が言うと、宮本監督は即座に「クレームあったらどうしてたん?」とツッコミを入れ、松波氏は「エンターテインメントでしょ。今だったら審判に(何か)言われてるのかな」と苦笑いした。

番組は約2時間10分で終わった。宮本監督らは、普段のピッチでは見られない穏やかな表情を並べていた。【横田和幸】