ヴィッセル神戸は20日、神戸市内のいぶきの森球技場で公開練習を行った。

この日の練習前に完全移籍での加入が発表された元日本代表GK権田修一(36)も合流し、初日からプレーと声で存在感を示した。神戸での初練習を終えた権田は「練習にちょっと入っただけでも、切り替えの早さや、要求のところところは、やっぱり質がすごく高いなと感じた」と印象を話した。

25年3月からハンガリー1部のデブレツェニVSCでプレーしていたが、シーズン終了とともに退団。その後も欧州でのプレーを希望して移籍先を探していたというが、アジアの舞台で自身の価値を上げることを目指し、神戸加入を選択した。

すでに今季の選手登録を締め切っているリーグ、天皇杯には出場できず、今季は10月31日まで追加登録可能なアジア・チャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)の専用選手として戦うことになる(ルヴァン杯は10月3日まで登録可だが、神戸はすでに敗退)。それでも神戸を選んだのは、14年ブラジル大会、22年カタール大会に続く自身3度目のワールドカップ(W杯)の舞台に立つため。「W杯にもう1度、僕は出たい」。その思いに加え、7月のクラブW杯でのアジアクラブの躍進が後押しにもなった。決勝トーナメント1回戦でアルヒラル(サウジアラビア)がマンチェスター・シティー(イングランド)を撃破したことを挙げ「国内リーグでは少しリズムが遅かったりするかもしれないけど、質の高い選手が勝ちたいって思った試合で本気を出したら、シティーにも勝てるんだっていうのが証明された。今のアジアはそういうレベルになってきていると思う」と刺激を受けた。

その上で「このクラブが優勝を目指している中で、そこに自分を本当に本当に必要としてくれていると感じた。アジアの舞台で活躍できることを証明すれば、自分自身の価値を高めて、日本代表にもつながっていくのかなという思いがあったので、リーグに出られないという特殊な状況だけど、加入を決めた」と率直な心境を明かした。

3日のルヴァン杯で負傷したGK新井章太(36)が左膝前十字靱帯(じんたい)損傷で全治8カ月と長期離脱したことを受けてセカンドGK探しに動いたという永井秀樹スポーツダイレクター(SD)は、特殊とも言える契約にも「加入してくれて、チームにとってはプラスしかない」と歓迎し「(数カ月のみという)超短期の契約ではない」と、来季以降も見据えた獲得であることを明かした。

無所属だった約3カ月の間は「我慢の時期」とし、愛息にボールを出してもらってトレーニングをするなどしてきた権田は「もしかしたら、今までのサッカーキャリアの中で、一番大きな仕事が、ここでは必要になるかもしれない」と強い思いで合流。アジア制覇、W杯出場に向け、神戸で新たな一歩を踏み出した。【永田淳】