日本代表の森保一監督(57)が18日、Eピースで行われたサンフレッチェ広島-V・ファーレン長崎を視察し、16日未明に亡くなった広島初代総監督の今西和男さんへの思いを、時折声を震わせながら口にした。

当初から視察予定をしていた試合は、想像もしていなかった今西さんの追悼試合になった。喪服姿で喪章を着用して視察した森保監督は、その試合が広島でともにプレーした高木琢也監督率いる長崎だったことに触れ「通夜や葬儀には行くことができませんでしたが、ここに今西さんの魂があって、今西さんの門下生である私や高木さんがここにいるということで、今西さんが呼んでくださったのかなという気持ちでいた」と思いをはせた。

この日の試合で広島は先発6人、控え3人のホームグロウン選手が入ったことも、今西イズムを象徴するものだとした。「12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、特定のJクラブの第1種、第2種、第3種または第4種チームに登録された期間(以下、本条において「育成期間」という。)の合計日数が990日(Jリーグの3シーズンに相当する期間)以上である選手」と定義されるホームグロウン選手の多さは、育成に力を入れてきた広島らしさでもある。そこにも「いち早く先見の明を持って育成型クラブとしてでチーム作りをされたということが今にもつながっているということを、試合を見て実感できた。本当に今西さんの魂が、DNAがここに来ているなと思って試合を見ていた」と話した。

広島の地に戻ったことで、指揮官にはより特別な感情がわき上がった。

「チーム作りでチーム一丸となってタフに、粘り強く最後まで戦い抜くということを、広島時代も日本代表としても、チームの大きなコンセプトとして、姿勢の部分で選手たちに伝えている。それは広島の街も原爆から復興に向けて、本当に大変な思いをして歩んできた歴史を今西さん自身が知っておられるので、我々に対しても本当にひたむきに、粘り強く、我慢強く、最後まで戦い抜くということを教えてくれたと思っている」。広島の街とともに立ち上がってきた今西さんの考えが、今の日本代表にもつながっているとした。

17日の葬儀には出席できなかったが、この日の試合後に今西さんの自宅を訪問。恩師との別れを前に「私自身は本当にサッカー選手として、指導者として、人として指導してきていただいて今があるので、ありがとうございましたということと、我々はこれから北中米W杯に挑むので、今西さんから教えてきてもらったことを監督として生かしていきながら、世界一に向けて、世界に挑む姿勢を喜んでもらいたいということをお伝えしたい」と話した。【永田淳】

【百年構想リーグ】守備陣奮闘! 鹿島、広島などホーム4チームがクリーンシート/スコア詳細