北海道コンサドーレ札幌MF深井一希(30)が現役ラストゲームとなる最終節ホーム愛媛戦に臨み、完封勝利でプロ生活13年間を締めくくった。リーグ戦では22年8月13日J1神戸戦以来3シーズンぶりの先発で、後半13分までボランチとしてプレー。同6分にはペナルティーエリア外からミドルシュートも放った。試合後の会見では「今ここに座れていることにホッとしている。最後ケガして全て台無しになるんじゃないかと思っていた」と、やり切った表情を浮かべた。

左腕にはキャプテンマークを巻き、先頭で入場した。スタンドは、背番号の「8」とプロキャリアを過ごした「2013-2025」の文字で出迎えた。前半“8”分には、会場全体が一斉に立ち上がり拍手する演出。同時に大型ビジョンには深井の姿が映し出された。交代時には両チームの選手、審判が中央に集まってつくった花道を歩き、大きく一礼してピッチを後にした。「最高の雰囲気でサッカーを楽しむことができたし、最高の勝利を分かち合えてすごくうれしかった」と振り返った。

札幌下部組織出身で、両膝計5度の前十字靱帯(じんたい)断裂から復活を遂げてきた「不屈の男」が、ついに赤黒のユニホームを脱いだ。今後は指導者の道に進む。クラブは来季札幌U-18コーチを任せる方針。「いつか必ずこのピッチに監督として帰ってくることを夢見て、ひた向きに努力していきたい」。現役時代に果たせなかったタイトル獲得へ、深井の第2の人生が幕を開ける。【保坂果那】

◆深井一希(ふかい・かずき)1995年(平7)3月11日、札幌市生まれ。札幌U-12、15、18と下部組織で育ち、13年トップチーム昇格。同年3月20日J2松本戦でプロデビュー。J通算207試合(J1通算141試合8得点)。年代別日本代表を経験し、11年U-17W杯8強。179センチ、80キロ。利き足は右。背番号は8。家族は妻と1男。趣味はサウナ。