これぞ熟練のなせる技なのか-。メキシコのベテランGKオチョア(37=アメリカ)が“神セーブ”で絶体絶命のピンチを防いだ。
0-0で迎えた後半13分のPK。相手は世界最高FWの1人、レバンドフスキだ。体を小刻みに震わせるようにして、相手を惑わせる。シュートの瞬間、右へ体を傾け、軸足を踏み込んで左へ飛んだ。低い弾道のシュートを左手1本で止めた! 超ビッグプレーに、会場の大半を占めたメキシコサポーターの大歓声で興奮のるつぼと化した。
「PKを止めて完封できるなんて幸せだ。メキシコのためにピッチで全てを出す」
事前の分析では、レバンドフスキはゴール枠のあらゆる角度にPKを決めていた。「複雑でどちらに飛ぶかは決められなかった」。06年ドイツ大会から5大会連続出場を達成し、過去出場の全大会で決勝トーナメントに進んでいる。オーバーエージ枠で出場した昨夏の東京五輪でも銅メダル獲得に貢献。経験豊富な守護神は冷静沈着だ。動きを一瞬で読み切ったのである。
優位に試合を進め、ポーランドを上回る15本のシュートを放ちながらの引き分け。ただオチョアの活躍がなければ、勝ち点1すら逃していた可能性もあった。マルティノ監督は「相手にはPK失敗があったが、全体的にはこちらが優位に立っていた。シュートの正確性が足りなかった。次のアルゼンチン戦は決勝のように戦う」。レバンドフスキの次に止めるのは、またも世界屈指のFWメッシだ。


