チェルシー・アブラハムが勝負、2部で昨季25得点

来日中のチェルシーは21日、埼玉のNACK5スタジアムで公開練習を行い、期待の若手FWダミー・アブラハム(21)が練習に復帰した。

昨季は2部アストンビラで37試合に出場して、得点ランク2位の25得点を記録。チームが補強禁止でジルーとバチュアイの2人のみになった手薄なセンターフォワード陣の救世主として飛躍を目指す。

公開練習でのパス回しで、ひときわ目についたのは190センチの長身FWで奇抜なヘアースタイルのアブラハムだった。細身の身体から俊敏に動き、バネ、身体能力を見せつけた。ツアーで来日もへんとう炎で離脱。19日の川崎フロンターレ戦を欠場した。「理想とは程遠いスタートだね」と苦笑い。公開された練習では初めてピッチに立ち「もう随分良くなった。気分的にはポジティブだよ」と復調に向かっている。

2016-17年シーズンからは期限付き移籍を繰り返した。チーム内の序列は3番手フォワードの位置づけ。補強ができないチーム事情もあるが、ようやくトップチームでシーズンを過ごすことになりそうだ。「僕は6歳からチェルシーで育ってきた。そのクラブで、さらなる努力とハードワークによって存在をアピールする機会を与えられわけだから、これ以上の機会はない」と意気込みを語った

世代別のイングランド代表に選ばれる逸材も、今年で22歳。若手と呼ばれる時期も残りわずかで、勝負の年となる。「まずは(ここで)試合に出られるようになること。チェルシーはビッグクラブだけど可能性はある。新しい監督になって、若手を含む多くの選手に新たなチャンスが訪れた。(チェルシーでの)未来があると信じることができる」。ランパード新監督就任が大きな転機になっていると話した。

今回のプレシーズンで多くのユース出身選手を起用しているランパード監督について「トレーニング中も、よく若手に声をかけてくれるし、改善すべき点や、そのために何をすべきかとか、アドバイスもくれる」と、レベルアップするために必要な事を教えてくれているという。ただ、指摘するだけでなく「プレーで気に入ってもらえた点も教えてくれる。僕ら若手にとって、密にコミュニケーションをとってくれる監督の存在は大歓迎」と、良かったプレーも教えてくれることにより、モチベーションが高くなっていると明かした。

チーム内ではフランス代表やクラブで長年結果を残し続けている32歳ベテランのジルーと、17-18年シーズンにドルトムントで10試合7得点と大爆発した25歳のベルギー代表FWバチュアイの2人が、レギュラーの座を争うライバルになる。実績ではまったく及ばないが「2人のような選手とポジションを争う環境に身を置けることは素晴らしいことだ。より一層、やる気をかき立てられる」と遠慮するどころか、さらに高いモチベーションになっている。

チーム内競争に打ち勝つための策は「練習グラウンドでのハードワークあるのみ」と言う。だが「監督からは、自分のどんな部分を買ってくれているか、どんなプレーに磨きをかけ続けるべきかといった話をしてもらっているから、それを頭に入れて成長し続けるしかない」。監督の助言が考え方をシンプルなものにしていると明かした。

自身の特長について「スピードやネットを揺らすことには自信がある」と話した。一方で課題にも「守備面とか他のプレーに関しても改善に取り組んでいる」と自覚し「もちろん、ピッチ上でのハードワークでチームに貢献することも忘れずに。練習の段階から全力でやっているよ」と、言葉から迷いは感じさせず、自信をみなぎらせている。

ランパード監督のことを「僕はユース時代から憧れて、手本として育ってきた」と尊敬していることを明かした。指揮官の呼び名について「自然と『ガッファー』(監督、親分という呼び名)に落ち着いた感じ」だという。だが「1、2回、ついつい『フランク』って呼んじゃったことがある」と「ボス」である監督に対してファーストネームで呼んでしまい「今は自分の監督に当たるわけだから、ちゃんと『ガッファー』と呼んでいる」と苦笑い。失敗談を笑いに変える度量も見せた。

23日には楽天カップ・バルセロナ戦が埼玉スタジアムで行われる。「フィットネスをとコンディションを上げること。ハードな練習をこなして、実戦レベルのエネルギーを取り戻さないといけない。良いパフォーマンスを見せたい」とコメント。日本のプレシーズンでは最後のチャンスも「このチャンスを逃さないように努力しないといけない」と意気込みを語った。

「自分もチェルシーで(1軍の選手として)優勝トロフィーを獲得したい」。大きな目標へ向けて、まずは名門バルセロナ戦で結果を残す。(山中忍通信員)

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  • 練習前にピッチ上でミーティングをするランパード監督