レアル・マドリードからの期限付き移籍でビリャレアルに所属する日本代表MF久保建英(19)が、出場時間を求めて冬の移籍市場での退団を熟考していると、ビリャレアルの地元紙エル・ペリオディコ・メディテラネオ電子版が23日に報じた。

同紙によると、久保はウナイ・エメリ指揮下ではスタメンになることができず、この段階でキャリアが停滞することを危惧しているとのこと。チームが今季ここまでに戦ったRマドリード戦まで、リーグ戦での役割が徐々に薄れており、出場機会を得ている欧州リーグの先発出場だけでは満足していないため、他クラブに移籍して中心選手となり、さらに成長することを望んでいるという。

久保がリーグ戦でレギュラーになれない理由については「積極性と戦術的規律を加えたサッカーを展開するために監督が求めるフィジカルが久保に欠けており、エメリも久保について質問された際、大きな敬意を払いつつ、そのことを認めていた」と説明した。

ビリャレアルが8月にRマドリードと、期限付き移籍の手数料250万ユーロ(約3億1250万円)で合意している契約については、「ビリャレアルが期限付き移籍の契約解除を拒否する可能性があるものの、おそらく不満を持った選手をメンバーに抱えたいとは思わないはずだ。さらに両クラブの関係は非常に良好であるため、久保の退団には何の支障もないだろう」との見解を示している。

さらに、「エメリがペドラサをひとつ前のポジションで起用する可能性に加え、Rマドリード戦で見られたように、久保よりも先に途中出場したジェレミが台頭していることにより、久保が冬の移籍市場で退団した場合でも、そのポジションをカバーできることを保証している」と分析し、「久保はスペイン内外で移籍先を欠くことはないだろう。サッカー選手としてのクオリティーの高さに加え、背後に大きなマーケティングを伴っている。ビリャレアルでの久保の将来は今現在、宙に浮いた状態である」と締めくくった。

今冬の移籍市場オープンまであと1カ月強。今後、久保の動向に注目が集まることになりそうだ。(高橋智行通信員)