【ヒューストン(米国)6月30日(日本時間7月1日)】W杯北中米大会の決勝トーナメント1回戦で無念の敗退となった日本代表が、逆転負けしたブラジル戦(1-2)から一夜明けて、再出発した。後半追加タイム5分の決勝被弾に絡み、当日は号泣で取材に応じられなかったMF田中碧(27=リーズ)が初めて思いを吐露。4年後の「W杯100周年」2030年スペイン・ポルトガル・モロッコ大会への出場意欲こそ明言しなかったが「悔しさはW杯でしか晴らせない」とリベンジを期待させた。
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終始、うつむいていた。悪夢のブラジル戦から24時間後。田中は12分超、言葉を紡いだ。重ねたのは謝罪だった。「悔しいし、申し訳ない。昨日だろうが今日だろうが、これから先、ずっと変わらない」。悔しさは胸に残ったままだった。
1-2。敗戦が決まり、仰向けで倒れ込んだ。自身のボールロストから決勝点を献上。気付けばユニホームで顔を覆っていた。主将の板倉から長友、久保…。チームメートだけでなく、相手FWのネイマールから背中をさすられ、クニャからも慰められた。ゴール裏に頭を下げ、ひざに手をついたまま、顔を上げることができない。号泣。取材に応じられず会場を去った。
一夜明け、表情は暗いまま。映像は見ていない。「シンプルに、自分の力がまだまだ足りなかった」と唇をかんだ。仲間から励まされても「自分のせいじゃない、と言ってもらえてうれしいわけではない。すごく自分に腹が立つ。責任を感じた」とまた己を責めた。
決して、ミスではない。自分で奪ったボール。周囲の足も止まっていた。パスを味方につなごうとして、短くなった。それでも「クリアすれば良かった。自分の責任」と背負い込んだ。
前回22年カタール大会では、スペイン戦で逆転弾。「三笘の1ミリ」を押し込んだ。以来3年半、再び夢舞台だけを考えて歩みを進めてきた。世界最高峰のイングランド・プレミアリーグで技術を磨いた。今大会は、負傷で選外の盟友MF三笘薫から背番号7も託された。チュニジア戦、スウェーデン戦では“MVP級”のプレーを披露するまで成長し、先も明るかった。
それが数日で暗転。悲壮感に包まれた。すぐに前は向けない。プレーは「見返さないと思う」ともこぼした。「4年後、ああだこうだ言う気分じゃない」とも吐露した。一方で胸に抱き続ける思いもある。「世界のトップ・オブ・トップと肩を並べられるような選手になれるように成長したい」と、少し言葉を強めた。
「W杯で味わった悔しさはW杯でしか晴らせない」
視線が上がった先には、きっと2030年が見えている。蒼い地中海を挟んだスペイン・ポルトガル・モロッコで、絶景を見る男になるはずだ。【飯岡大暉】


