山県亮太(25=セイコーホールディングス)が2年ぶり3度目の優勝を果たした。決勝は追い風1・3メートルの10秒17。2位ケンブリッジから0秒09差で逃げ切り「何としても優勝したかった。うれしい」と笑った。

 10秒24だった予選後、約4時間あった空き時間の練習場では2度、時間をつくってサイン攻めに応じ、競技場へはファンとハイタッチしながら入った。この大会には小学生時代から出場し、トップ選手にサインや握手をしてもらったのを今も覚えている。レース前はファンサービスを控えるのが一般的だが「自分もそうやって育てられた」と丁寧に応じた。昔の自分のように目を輝かせる大勢の子どもたちを前に勝利し、喜びもひとしおだった。