大阪国際女子マラソンが28日、ヤンマースタジアム長居(大阪市)発着で行われ、前田穂南(27=天満屋)は2時間18分59秒で、05年に野口みずき氏(45)がマークした2時間19分12秒の日本記録を塗り替えた。日刊スポーツ評論家の野口氏が前田の走りに迫った。

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さようなら、2時間19分12秒、19年間ありがとう。

テレビ中継に日本記録として「野口みずき」の名前が出てこないのは寂しい気持ちもある。私の記録もあと1年で昔でいう成人式を迎えられたが、過去形になった。潔く出してもらって、本当にうれしい。

抜く時は数秒ではなく、一気に抜いてほしいと願っていた。2時間18分59秒。18分台は素晴らしい。私はペースメーカーをつけての記録だったが、今回は中間点で飛び出して自分の力で走りきった内容。優勝したエデサ選手が「怖かった」と何度も後ろを振り返っていた。アフリカ勢にプレッシャーを与える日本選手はここ数年はいなかった。

日本選手が世界で戦うにはロングスパートが必要。私も高橋尚子さんもそうだった。並走するとゴールに近づくほど、最後のスピード勝負で後れを取る。自分からレースを動かして相手のペースを崩すこと。前田選手は自分のリズムで走りたい、動物的な感覚もあっただろうが、世界で戦うことにつながる走りだった。

テレビの第1中継車で新記録を見てスペシャルな1日だった。武冨監督は、私の練習メニューを参考にしたと聞いた。歴史がつながっているようでうれしい。私は高橋さん、渋井陽子さんら同世代のライバルがいた。いい時代が終わってしまったのかと思うと寂しいが、これから前田選手に刺激を受けた選手がどんどん出てくる。世界との差はまだあるが、本当にいい風穴を空けてくれた。(04年アテネ五輪金メダリスト)

前田穂南が日本記録更新!2時間18分59秒 日本人トップで五輪資格/大阪国際女子マラソン詳細