女子レスリングで五輪4連覇を果たした伊調馨が日本協会の栄和人強化本部長からパワーハラスメントを繰り返し受けたとして、レスリング関係者から内閣府の公益認定等委員会に告発状が出された問題で、林芳正文部科学相は2日、週明けに協会が伊調選手と栄氏から聞き取りを行うと明らかにした。「われわれとしても協会の対応を注視したい。事実関係を明らかにしていただくことが大事だ」と述べた。

 協会関係者によると、聞き取りは倫理委員会で行う。

 伊調は1日に所属するALSOKを通じて「告発状については一切関わっておりません」とのコメントを発表したが、パワハラとされる事実の有無については言及しなかった。協会は同日「当協会が伊調の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はない」とする文書を発表した。

 告発状は、栄氏が伊調のコーチを務める強化委員の男性に指導をやめるよう命じ、従わなかった男性を脅したと主張。伊調が練習場所としていた警視庁の施設に出入りできないよう圧力をかけたとしている。