レスリング女子でオリンピック(五輪)4連覇の伊調馨(ALSOK)らが日本レスリング協会前強化本部長の栄和人氏から受けたパワーハラスメント問題で、内閣府公益認定等委員会は27日、日本協会に対し、公益認定法に基づく「報告要求」を行った。伊調らトップ選手の練習環境の整備や支援、代表選考の透明化、パワハラの再発防止に向けた取り組みなどの報告を求め、回答期限を5月31日としている。

 公益認定等委員会は報告内容を検討し、必要と判断すれば「勧告」などの監督措置を取る。山下徹委員長は東京都内で記者会見し「運営が適切に行われていないという疑いを持たざるを得ない。法人が自立と自律の精神に基づき、自主的に再発防止に取り組むことを期待する」と述べた。

 日本協会の第三者委員会がパワハラと認定した4件だけでなく、12年ロンドン五輪で伊調へのサポートが十分でなかったことなどの5件を加え、9つの事案について「公益法人として事業を実施する上で、不適切なものであった疑いが極めて高い」と指摘した。日本協会の事実認定や解決に取り組まなかった幹部の責任についても報告を求める。同協会の菅芳松事務局長は「真摯(しんし)に受け止めて回答する」と語った。

 公益認定等委員会は、報告要求について基本的に非公表としているが、東京五輪を控え「社会的関心が極めて高い」として公開することが適当と判断した。