「柔道界の画伯」石川裕紀氏が再開ガイドライン作成

  • モルドバで柔道指導する石川裕紀氏
  • 男子100、100キロ超級担当の鈴木桂治コーチのイラスト
  • 男子代表井上康生監督のイラスト
  • 高藤直寿のイラスト

「柔道界の画伯」こと柔道元日本代表でモルドバ代表コーチを務める石川裕紀氏(31)が、全日本柔道連盟(全柔連)の新型コロナウイルスの影響に伴う練習再開に向けたガイドラインの簡略版を作成した。

全柔連が6月上旬に発表した4段階のガイドラインを得意のイラストで表現。これまで細かく書面で明記していたが、一部関係者から「分かりにくい」などの声が上がっていた。石川氏は文字を減らして要点だけをまとめ、子供でも理解できるように男女の柔道家イラストや「○×」などを使って分かりやすく説明した。第1段階は相手と組み合わない柔道で、1人当たり畳4枚のエリアで1人打ち込みや受け身などを中心に行う。第2段階で相手と組み合う打ち込みや、第3段階で実戦形式の乱取りが可能となる。対外試合や出稽古が許可される第4段階は、稽古再開から2カ月以降となる。

石川氏は、トップ選手の似顔絵を数多く描いている。3月中旬に東海大の後輩で16年リオデジャネイロ五輪男子60キロ級銅メダルの高藤直寿(27)から「SNSのアイコンを描いてほしい」との要望があった。高藤が似顔絵画像をツイッターに投稿すると賛辞の声が相次いだ。その後、男子66キロ級で五輪2大会連続銅メダルの海老沼匡(30=ともにパーク24)ら国内の強化選手から依頼が殺到した。男子代表の井上康生監督(42)やその他コーチ陣も描き上げ、「井上ジャパン」も完成させた。

3密競技である柔道は、新型コロナの感染状況により、地域での練習段階も大きく異なる。感染者の多い都内は練習再開から1カ月経過してもいまだ第1段階で、感染者の少ない地域では第3段階に進み、“稽古格差”の課題が浮き彫りとなっている。石川氏は「まだ苦しい日々が続きますが、指導者の方や関係者だけでなく、子供やその保護者の方にもガイドラインの共通認識をもってもらい、安全に稽古してもらえるとうれしいです」と話した。

◆石川裕紀(いしかわ・ひろのり)1988年(昭63)7月26日、茨城県生まれ。5歳で柔道を始める。栃木・白鴎大足利高-東海大-了徳寺大職。60キロ級で11~14年全日本実業個人選手権優勝。12年グランドスラム・東京大会準優勝。今年1月にモルドバ代表コーチに就任。左組み。得意技は一本背負い投げ。趣味は絵を描くこと。家族構成は妻。168センチ。血液型B。