フィギュア界の“ナカムラシュンスケ”が首位発進した。

21年全日本ジュニア選手権6位の中村俊介(17=木下アカデミー)が73・89点を記録した。2位の吉岡希(法大)に7・21点差をつけ、14日のフリーに進む。

中村がアップテンポの曲に乗り、ジャンプをそろえた。冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で2・40点の加点を導くと、3回転ループ、ルッツ-トーループの連続3回転を成功。ステップと1つのスピンでレベル2(最高は4)があり「ジャンプは全て成功できたけれど、スピン、ステップの細かい部分に、ミスがあったのが悔しいです」と冷静に振り返った。

今季に向けたオフ期間も、ジャンプはこだわってきた部分だった。本数を増やし、軸や高さが安定してきた。その中で次の課題は4回転。フリーは1本を組み込む予定で「一応2種類あるけれど、まだまだ」とレベルアップを誓う。

同い年でライバルの三浦佳生(17=オリエンタルバイオ/目黒日大高)、2歳上の鍵山優真(オリエンタルバイオ/中京大)や佐藤駿(明大)、3歳下の中田璃士(MFアカデミー)らを意識し「本当にみんな、見る度にうまくなっている。『負けないぞ!』『追いついていくぞ!』というのがモチベーションになっています」と言い切る。フリーでは納得のいく形で優勝をつかみ、シーズンのスタートダッシュを決める。【松本航】