山田拓朗(26=NTTドコモ)が圧倒的な強さで男子100メートルバタフライ(運動機能障害S9)を制した。

 予選で従来の1分3秒24を大幅に更新する1分2秒84を出すと、決勝ではさらに伸ばして1分2秒55で優勝。それでも「予選は予想以上だったが、決勝は力んだ。ターンのタッチも流れて、後半はかなり苦しかった」と反省した。

 昨年のリオデジャネイロ大会50メートル自由形で銅メダルを獲得した自由形短距離のスペシャリストは「自由形以外に勝負できる種目を増やしたい」と昨年10月からバタフライに本格的に取り組んでいる。それまでは肘から先がない左腕も使った通常の泳ぎ方だったが、左腕を固定したまま右腕だけでかく「片手バタフライ」を導入。それが、日本新記録連発につながった。

 世界選手権(30日~・メキシコシティ)では得意の50、100メートル自由形に加えて100メートルバタフライと200メートル個人メドレーにも挑戦する。「50メートル自由形ではメダル、バタフライは決勝に残れるように」と目標を掲げた。もちろん、最大の目標は3年後の東京パラリンピック。「金メダルを目指したい」と自信たっぷりの笑顔で言い切った。