150秒にかける青春〈15〉世界一のチア!帝京大学が3冠達成~黄金時代到来の予感

大学女王の帝京大学「Buffalos」が世界一に立った。4年ぶりに開催されたチアリーディング世界選手権大会(群馬・高崎アリーナ)のシニア女子部門を制覇。3チームが出場した日本勢は表彰台を独占した。帝京大学は翌日の全日本学生選手権も制し、ジャパンカップを含め3冠を達成した。彼女たちの思い、知られざる真実。(敬称略)

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歓喜の瞬間

努力が実を結んだ。

150秒の演技が終わった瞬間、帝京大学の選手たちは抱き合って喜んだ。

客席からは大歓声が響いてくる。

美しさと力強さ-。

タンブリングにはスピード、スタンツには安定感があり、ダンスは16人の呼吸が1つになった。

ジャパンカップ大学部門の女王は、世界選手権でも見る者の心をくぎ付けにした。

ノーミスに近い演技で273・0の高得点をマーク。

日本勢が表彰台を独占したシニア女子部門で、帝京大学は力の差を見せつけることとなった。

その翌日もまた観衆を魅了する。

11月26日に世界選手権と同じ高崎アリーナで行われた日本学生選手権(インカレ)。

その空間、150秒間は、彼女たちが完成させた完璧な作品となる。

ミスのない演技。終わった瞬間の歓喜の抱擁。

その光景を見ているだけで、どれほどの時間を費やし、この時のために青春をかけてきたかを感じることができた。

得点は281・5。インカレは総合優勝。

2連覇した8月のジャパンカップを含め、黄金時代の到来を予感させる3冠となった。

彼女たちの思い、歩んできた足跡を、ここに描く。

世界選手権、翌日のインカレと完成度の高い演技だった

世界選手権、翌日のインカレと完成度の高い演技だった

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編集委員

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。