ボートレースもほとんど無観客での開催が続いていますが、皆さんいかがお過ごしですか?

私もいつもなら選手に直接お会いして、その表情や笑顔、言葉の間合いや柔らかさなどを含めた取材をしてきたのですが、今回からはステイホームのまま電話取材でお伝えさせていただくことになりました。

その第1回目は、国弘選手のご実家の前で合格通知を待ち続けていたという水摩敦選手(33=福岡)です(前回の国弘選手の回をぜひご覧ください♪)。

--(国弘選手の)合格を知った時はいかがでしたか?

水摩選手 めちゃくちゃうれしかったですよー。僕、その前から何日もずーっと待ってて、郵便屋さんつかまえて「(合格通知書)まだ入ってませんか?」って聞いてましたからねー。

--国弘選手はどんな存在ですか?

水摩選手 国弘も選手になったし、単なる幼なじみでもないですし、なんて言ったらいいんでしょうねぇ。でもなかなかいないやないですか? こんな仲いいやつらも。今日ももう3回くらい電話かかってきてますからね。お互いの嫁さんよりも確実に電話の量は多い! ありがたいですけどねぇ。そういう相手がいてくれるっていうのは。

サッカー部に所属していた高校時代の水摩敦選手(右)と国弘翔平選手
サッカー部に所属していた高校時代の水摩敦選手(右)と国弘翔平選手

--水摩選手ご自身のボートレーサーになるきっかけは? 

水摩選手 小さい頃からサッカーをしていて、中学もかなり強いチームだったんですよ。それで高校もそのままサッカーで強いところに行こうと思ってたら、中学の部活の顧問の先生に「お前は身長が小さいから通用するのは中学まで」ってはっきり言われて…。でもその時ちょうど推薦も来てたのと先生の勧めもあって体育科のある高校に進学したんです。実はその高校の卒業生に谷村啓司選手(40=福岡)がいて、その谷村選手の体育の先生から「お前、ボートの選手になってみたら?」って言われたのが最初のきっかけです。

--すぐに選手になろう! と思いました?

水摩選手 いえ、最初は「嫌ですよー」って言ってたんですけど、そのうちに自分の担任で部活の顧問でもある先生がパンフレットを持ってきてくれたんです。で、それ見たら平均年収が2000万ってなってて…。その当時の高校生の自分からしたら想像もつかん金額じゃないですか。それで一気に「よし! なろう!!」って気持ちになりました(笑い)。

--スムーズにいきました?

水摩選手 まず、目が悪かったんで親に相談して目の手術を受けさせてもらいました。そしたらもう引くに引けなくなって、そこからは猛勉強を始めたんですよ、小学生のドリルから(笑い)。高3の初めから勉強を始めたんですけど、それまでホントに恥ずかしくなるくらい学力がなくて。同級生のお兄ちゃんとかで頭のいい人もいたんで家庭教師をしてもらったりして、自分で自分を褒められるくらい必死で勉強しましたね。

--99期で合格して、1年7カ月目に初優出・初優勝。早い方じゃないですか?

水摩選手 実はその日、レースできんのやない? っていうくらい、朝から追い風ビュービューだったんですよね。優出もしたことない人間やし、とりあえず1M全速でハンドル切ってどっか入れたらいいな、イチかバチかで決まればいいなって覚悟でレース行ったら、スタートしたら誰もいないって展開になって気付いたら優勝してしまってた。みたいな感じでした。

--ということは、優勝の実感は?

水摩選手 最初、えっ?! ホントに優勝したんかな? くらいの感じで、しばらくして表彰式があったんですけど、その時に『あ、優勝したんかぁ』って。国弘とか目の前でギャーギャー言って喜んでくれてましたけどね。実感したのはその時です。

--ここ最近A級をキープされてる理由は?

水摩選手 それは、完全に意識の問題ですね。3~4年前に1人目の子供が産まれて嫁が選手をやめるってなった時、そこで気持ちが一気に変わったのが大きかったですね。

--水摩選手にとっても、守らなきゃいけない人たちの存在は大きいってことですよね?

水摩選手 はい! むちゃくちゃいいことですね。

4月2日に若松ボートの準優9Rで2着に入り、笑顔を見せる水摩敦選手
4月2日に若松ボートの準優9Rで2着に入り、笑顔を見せる水摩敦選手

--目標は?

水摩選手 年間通しての目標だったら、フライングをしない、優勝を5回以上はする、そしてSGに出る! というように今よりももう1つ上のステージで戦えるように目標を置いています。それがなかなか達成できなくて、SGとかすごい高い壁ですよ。でも焦る気持ちとかは全くないです。

--これからに向けて

水摩選手 しっかりとレベルアップしていきたいですねぇ。今は、なんとかA1でいれてるけどただのA1なんで、SGとか記念とかで活躍できるようになりたいし、それを見て、後輩たちもみんなちょっとずつレベルアップしていってくれるように底上げしていきたいです。

 
 

25日から宮崎県内のすべて(高城・日南・宮崎・日向)のBTS(ボートレースチケットショップ)の営業を再開することとなりました。感染症対策として、3密の回避や入場時の検温などを行います。混雑が予想される場合には入場者数制限をさせていただく場合もございますので、ご了承ください。なお、お客様にはマスクのご着用をお願いいたします。

 
 

○…大山千広選手(24=福岡)にとって、来年2月、芦屋で行われるレディースオールスターは絶好の活躍の場となるでしょう。

19年8月の蒲郡でプレミアムG1レディーズチャンピオンを制覇し、念願の女王となりました。また19年はSGオールスターにも出場し、男女混合の強豪の中でも勝利をもぎ取っています。今年も優勝を積み重ね、さらなる躍進に期待は高まるばかりです。

そんな期待のスターの原点は芦屋。17年から芦屋のフレッシュルーキーに選ばれ、多くの経験を積んで、順調に成長してきました。「地元の芦屋は普段からお世話になっているし、まだ芦屋で優勝したことがないので、レディースオールスターで優勝できたらいいなと思っています」。

新人の頃から近くで応援してくれたファンに、思い入れのある水面で恩返しするため、今から晴れの舞台に照準を合わせています。【芦屋ボート担当・土居恒久】