今季初のベンチスタートだったアルビレックス新潟MF本間至恩(20)が2シーズンぶりに前半にネットを揺らした。2-0で勝利した21日のアウェー、ブラウブリッツ秋田戦。先発したMF三戸が脳振とうの疑いで退き、前半43分から緊急出場すると、そのわずか5分後の同ロスタイムに右足で7試合ぶりとなる得点を挙げた。「なかなかゴールを取れていなかった中で、すぐに結果を出すことができて良かった」。ピッチに立ってから5分での得点は従来の7分を更新する自身の最速記録となった。

J2通算16点目だが、前半のゴールは19年11月の愛媛FC戦以来2シーズンぶり3点目。これまでは後半の得点が13点と全ゴールの80%以上を占め、先発での出場機会が増えた昨季以降は11点連続で後半にマークしていた。エンジンがかかるのは決まって相手に疲れが見え始めた試合終盤からだった。今後もエースが早い時間に先制ゴールを決めることができるようになれば、J1昇格を目指すチームはさらに勢いを増すはずだ。

また、この日は主戦場の左サイドでなく、逆の右サイドでプレーを続けた。アルベルト監督に「いつも通りのびのびやれ」と送り出されたエースは、試合終了間際にいつも通りギアを上げ、やや右サイドからFW矢村のゴールをアシストした。

チームは盤石の試合運びで8試合ぶりの完封勝利。その攻撃の中心にはいつも通り伸びしろ十分な背番号10がいた。【石川秀和】

得意のドリブルで攻め上がる本間(左)(2021年5月26日撮影)
得意のドリブルで攻め上がる本間(左)(2021年5月26日撮影)