東アジアE-1選手権の最終戦で日本は韓国に0-1で敗れ、優勝を逃した。スコアでは惜敗だろうが、内容は完敗だ。日本はチームになってなかった。

得失点差で優位だったからか、勝ちに行くのか、引き分けでいいのか、コンセプトがはっきりしない。リードされてからは森保監督からも、ピッチの選手からも、何かを変えようという気持ちがうかがえなかった。足元ばかりのパスサッカー、きれいにやっているだけで、相手の激しさの前に通用しなかった。

対して韓国が最初から勢い全開、リードを奪っても引かずに、2点目を取りに来た。迫力があった。

今大会は東京五輪世代が多く選ばれたことで注目されたが、来年に向けては心配が増すばかりだ。もうA代表のW杯2次予選はヤマ場を越え、通過は確定的なのだから、森保監督を五輪に集中させた方がいいんじゃないかと思う。韓国は五輪に向けてのチームは既にほぼ固まって、合宿に入っていると聞く。着々と準備が進んでいる。日本はどうだろう? 11月のU-22コロンビア戦も、今大会も、28日のU-22ジャマイカ戦も、招集メンバーは“寄せ集め”に映る。絵が見えてこない。白いキャンバスのままで、オーバーエージを含め誰がどんな色を出すのか、イメージできない。

勝てないと、選手は不安になる。信頼関係が損なわれてしまう。この流れを森保監督がどう変えるか? 来年1月のU-23アジア選手権で優勝するしかない。同監督が東京五輪で成功しないと、A代表のW杯最終予選にも響くはずだ。

一方で、E-1選手権という大会が育っていくのは難しいと感じる。スリルがない。クラブW杯が欧州勢と南米勢の直接対決にしか興味を持たれず、他のチームは参加しているだけというのと似ている。日本-韓国戦が“優勝決定戦”という状況が続けば、強化にはつながりにくい。(日刊スポーツ評論家)