J1サガン鳥栖は4月27日、練習場の北部グラウンド(佐賀・鳥栖市)に完成したトレーニング用の流水プールを報道陣に公開した。

 米国のSWIMEX(スイメックス)社が開発した流水プールで、米国ではほとんどのメジャー球団やNBA、NFL、五輪のナショナルチームなどが利用している。欧州のサッカークラブでの普及も進んでおり、スペインリーグのバルセロナやRマドリードなども利用する。日本ではソフトバンクや阪神、楽天など複数のプロ野球球団が導入しており、JリーグではJ1広島、神戸に次ぐ3クラブ目となった。現在も複数のJクラブが導入を検討中だという。

 総工費は約7000万円。負傷者のリハビリによる早期回復や疲労回復、体力強化などに効果があるとされ、1度に5、6人同時の使用が可能だ。現在、元コロンビア代表FWビクトル・イバルボ(27)、FW池田圭(31)、元韓国代表FW趙東建(32)ら主力のけが人を多くかかえる鳥栖にとっては“強力助っ人”を得た形だろう。

 鳥栖トレーナーによると「(トレーニングやリハビリ)メニューのバリエーションが一気に増えた」という。公開に立ちあった同社の関係者も「リーグ2連覇した時のサンフレッチェ広島も(流水プールを)使っていました。成績アップにも比例しており、鳥栖も強くなると思いますよ」と、導入効果を口にした。

 ただ鳥栖は、4月25日の第10節終了時点でJ2降格圏16位と低迷している。竹原稔社長(57)は「結果を出さないと。結果を追いかけていきたい」と、導入をきっかけに逆襲を誓った。最新施設による自慢のハードワーク向上に期待したい。【菊川光一】


 ◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市博多区生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在は報道部記者で主にJリーグや一般スポーツ、カメラマンとしてもプロ野球のソフトバンクなどを担当する。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。