U-16日本代表はオランダと対戦し1-3と逆転負けを喫した。モンテディオ山形の生え抜きとして初の代表入りを果たしたDF半田陸(15=山形ユース)は右センターバックで先発出場。前半に、体を張って相手シュートを阻むなど気迫の守備で最終ラインを統率。後半は右サイドバックに入り攻撃参加からシュートに持ち込むなど存在感を見せたが、地元東北での「日の丸1勝」は持ち越しとなった。

 決定的なピンチを気迫でしのぐ。前半、ゴール前で相手FWの至近距離からのシュートを捨て身でブロック。「少しよけてしまったが体を張れてよかった」と半田。飛び級招集された実力を見せつけた。森山佳郎監督(49)は「落ち着いてプレーしていた。身体能力があって高さでも競り負けてない。複数ポジションこなせるユーティリティープレーヤーとしてボールを奪ってからの展開力を高めて欲しい」と評価した。

 ジュニアユース時代、現役時代に「山形の鉄人」と呼ばれた太田雅之前監督(43)からは守備のメソッドを、FWとして活躍した根本亮輔コーチ(36)からはひたむきに走る山形のサッカーを、徹底的にたたき込まれた。この日も、3失点を喫したが局面で冷静に対応するなど最終ラインで安定感を見せつけた。

 代表入りして、これまで3カ国で国際試合を経験したが日本では初出場。半田は「山形からたくさん応援に来てくれて声援が聞こえて力になった。試合は負けてしまったが楽しくやることができました」とポジティブに振り返った。

 明日16日はアメリカと対戦する。体格の違う相手との試合が続くが、「どういう対応をしていけばよいのかを試合の中で学んでいきたい」。半田が、今度こそ山形魂を見せつける。【下田雄一】

 ◆半田陸(はんだ・りく)2002年(平14)1月1日、山形県上山市生まれ。上山カメレオンFC(OBに秋葉勝、高橋成樹)でサッカーを始める。14年に山形ジュニアユース村山に加入し、16年、U-15J選抜に選出されブラジル遠征、JFAエリートプログラムU-15日本選抜に選出され韓国遠征に参加。好きな食べ物は、祖母の作った芋煮。176センチ、63キロ。血液型B。