半年ぶりに日本代表に復帰したFW本田圭佑(31=パチューカ)は、今日23日のマリ戦も復帰前と同じベンチスタートが濃厚になった。アピール機会は限られる。22日の公式練習でも公開された冒頭部分は最後方に位置し体を温めた。静かに出番に備えた。

 とにかく信じる道を突き進む。21日の練習後に取材対応。W杯(ワールドカップ)最終23人のメンバー入りへ、当落線上とみられるが「選ばれるためだけのW杯なんて何の意味もない」と言い放った。ハリルホジッチ監督からは、メンバー発表会見で「このチャンスをつかんでほしい」と突き放されたが、本田は本田だった。

 「自分の目的がW杯というゴールを設定した場合、どういう形でこの3度目のW杯を迎えるべきなのか。選ばれるためだけのW杯なんて何の意味もない。それが議論され過ぎているけど、自分はW杯で勝つために今までやってきたし、そのスタイルはこれからも変えない。それで選ばれなくても、何の後悔もない。ただ選ばれるためだけの、この3月の2試合でもない」

 メンバー入りのためではなく、信じるやり方を貫いてW杯に行き勝利を重ねたい。「パチューカでも、自分がこの日本代表に欠けているものを補える、付加価値を与えられるのは何なのか、自問自答してトレーニングしている。晩年の選手がこれだけ個に集中し始めている。こんな頭のイカれた選手は今まで多分、日本だけでなく世界的に見てもいない。だから面白い」。“イカれた選手”には、絶対に譲れないものがある。【八反誠】