ベルギー遠征中のサッカー日本代表が25日、同国リエージュで冒頭15分を公開した合宿7日目の練習を行った。

 DF長友佑都(31=ガラタサライ)は、10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会前のチーム状況と照らし合わせ、前向きに捉えた。23日のマリ戦では1-1の引き分け。チーム内は決して明るい雰囲気とは言えず、危機感が募っている。その中で長友は「10年の時とチーム状況も周りの雰囲気も批判の受け方も似ている。監督を信頼してチームメートを信頼する、精神的なところが大事」とした。

 10年は4月から本大会までの親善試合で4連敗。だが、本大会で立て直し1次リーグを突破した。長友は「10年の時は(大会前)全然ダメで、でも突破できた。14年の時はポジティブだったけど結果を残せなかった。今1人1人危機感を持っているし、いい形で(W杯で)進める、(下馬評を)逆転する要素がそろっている」と指摘。2大会連続でW杯に出場した経験を話した。

 その中で「なるべく早く修正はしなければいけない」とキッパリ。左サイドバックとして、同サイドのボランチやFWとの連係、意思疎通を強めていく重要性を説いた。「細かいところだけど、ビッグチャンスになる状況をコンビネーション(不足で)つぶすのはもったいない。W杯ではそうチャンスがないかもしれない。彼らがどうしたいか直接話し合わないといけない」と改善点を挙げた。

 今回の遠征はW杯メンバー選考前の最後のアピールチャンス。経験の少ない若手も招集されている。だが、W杯で勝つためには「メンバーに選ばれるためにプレーしていては意思疎通の取れたサッカーができない。W杯でプレーすることを目標にしては厳しい。(ウクライナ戦で)いい内容にするのは厳しい」と、まずはチームとして日本のサッカーの確立を優先させるべきだと主張した。